子ども3人を東京の大学へ。共働きで頑張った結果実現した「平均以上の年金額」
総務省『家計調査報告(家計収支編)2023年 平均結果』によると、65歳以上の高齢夫婦(ともに無職)のみの世帯における月の実収入は24万4,580円、そのうち公的年金は21万7,675円。一方、実支出は28万2,496円、そのうち消費支出は25万0,959円。年金だけだと3万、4万円ほど生活費が足りない。だから足りない分は貯金から補填……というのが平均的な高齢者夫婦の家計です。
また同調査の貯蓄・負債編によると、高齢者夫婦のみの世帯の平均貯蓄額は2,656万円。対し平均負債額は31万円。純貯蓄額は平均2,625万円です。
【高齢夫婦の世帯の平均貯蓄・負債額】
■貯蓄…2,656万円
「金融機関」2,643万円
・通貨性預貯金…794万円
・定期性預貯金…892万円
・生命保険など…411万円
・有価証券…546万円
「金融機関外」13万円
■負債…31万円
「住宅・土地のための負債」23万円
・公的機関…4万円
・民間機関…19万円
「住宅・土地以外の負債」5万円
・公的機関…1万円
・民間機関…5万円
年金も貯蓄も平均を上回るという橋本浩一さん(仮名・72歳)久美子さん(仮名・70歳)夫婦。専業主婦世帯が多い地域のなか、共働きだったふたり。年金は夫・浩一さんが月19万円、妻・久美子さんが12万円、合わせて33万円。貯金は2,800万円ほどだといいます。
最近は買い物をするたびに物価高を実感し切り詰める日々。これで平均以上ということに「意外」という反応のふたり。現役時代、共働きだったのは、子ども3人の教育費のため。長男・智さん(仮名・42歳)が東京の大学に進学すると、下の2人の子どもたちも当然のように東京の大学を志望。結局、子どもたちの3人の学費のほか、仕送りもかさむことになり、「とても片働きでは無理!」と久美子さん、40代で仕事復帰。結果的に、平均以上の年金を受け取れているといいます。
3人の子どもたちのうち、長男は夫婦自身が「鳶が鷹を生んだ」というほど優秀で、地元の高校では生徒会長を務め、東京の一流国立大学に進学と快挙を達成。そして国家公務員(官僚)という、絵に描いたようなエリートコースを歩んでいるといいます。