会社の重要なプロジェクトを任される「プロジェクト・マネジャー」。なかには能力が高くても、マネジャーなどの上席になれない人もいます。一体なぜでしょうか? 本記事では、小山透氏の著書『常勝! プロジェクトを成功に導くマネジメントの定石 立ちはだかる壁を乗り越えるプロジェクト成功の鍵とは』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)より、プロジェクト・マネジャーに必要な人間力について解説します。
社内で、一流の成績を残しても「評価されない人」の共通点【勤続46年・元ソニー社員が解説】 写真はイメージです/PIXTA

プロジェクト・マネジャーに求められる人間力

「人格者」という言葉もありますが、これは個人によって解釈がさまざまではないでしょうか。考えられる特徴をいくつか挙げてみましょう。

 

質問すれば納得のいく返答をしてくれる…頼りになる人

頼りになる人は人格者として称えられ、まわりから信頼されます。上司に対してわからないことを質問し、「そんなこと、自分で考えろ」と言われたら、とても人格者とはいえません。物事に対する考え方が一流で、質問すれば必ず納得のいく返答が返ってくる人は人格が素晴らしいといえるでしょう。

 

矢面に立ってくれる…困難に立ち向かう勇気をもっている人

人は困難に遭遇するとあきらめて逃げるか、または困難に立ち向かおうとする人に分かれることが多いです。矢面に積極的に立ちたいなんて考える人は少ないように、困難に立ち向かうことは勇気がいる行為ではないでしょうか。人格者の特徴は、そのような矢面や困難に立ち向かう勇気がある人です。たとえどんなに自分に利益がなくても、仲間や組織のため名誉を捨てる覚悟で行動できる人です。

 

能力があるだけでは評価されない…思いやりのある人

スポーツ選手を見ると、一流の成績を残してもファンや関係者から評価されない選手もいます。原因は、性格だったりスポーツに対する取り組み方が適当だったりで、誠意と情熱が伝わらないからではないでしょうか。人格者と呼ばれるスポーツ選手には、もちろん選手として一流の技術をもつことは当然として、相手を思いやる気持ちで関係者との信頼関係が構築されているのです。他者を思いやる気持ちや、自分に厳しいことも必要な要素です。

 

総じて、人格者とは何より頼りになる人のことをいい、他者からの信頼と「この人なら」と思わせる性格・態度も特徴となります。

 

 

小山 透
プロジェクトマネジメント・エバンジェリスト