プロジェクトの失敗原因
専門誌『日経コンピュータ』(日経BP)の報告によると、日本の情報システム開発・導入プロジェクトの成功率は上がっています。15年前の2003年から調査をはじめ、2008年と2018年にも実施しています。3回の調査により、15年間でプロジェクトの成功率がどう推移したのか、失敗の理由は何か、といったことが明らかになりました。
プロジェクトの成功率は、2003年で26.7%、2008年で31.1%、2018年で52.8%と上がっていますが、約半数は失敗しているともいえます。
アジャイル開発の導入やPMO(Project Management Office)組織を設置するなど、プロジェクトの成功確率を高める施策を実施してきたことにより、成功する企業が増えている一方、プロジェクトの進め方について何も改善できず失敗する企業があることも事実です。この調査結果では、失敗する理由は15年前も現在も同じであると分析しています。
プロジェクトの成果物に満足を得られなかったいちばんの理由は「要件定義が不十分」、コストを順守できなかったいちばんの理由は「追加の開発作業が発生」、スケジュールを順守できなかったいちばんの理由は「システムの仕様変更が相次いだ」でした。
プロジェクトが失敗した場合の影響はきわめて大きく、とくに大規模なプロジェクトになると、関係する人や会社は経済的・社会的に大きな損失を被ることになります。失敗する要因はさまざまですが、いずれもやるべきことができていない、プロジェクトに対するマネジメントが不適切だからです。マネジメントの重要性を理解し、ツールや技法を実践で活用できるようにしなければなりません。
さらに、プロジェクトは人間の集合体による活動です。人間の集合体である以上、対人関係が円滑にいかなければ失敗します。