バブルで有頂天になっていた脱サラ男性…70代になって思うこと
――バブルの頃はすごかったよ、最高月収は300万円超えるくらいだったかな
25歳で脱サラ。30代中盤で開店した持ち帰り弁当店が繁盛し、最高月収(月商)は300万円を超えたとか。しかし、店のまわりに競合が増えたことに加え、不況も直撃。60歳を前に、借金を抱えた状態で店をたたんだとか。
――生活はしていかないといけないし、借金も返さないといけないし、本当、毎日大変だったよ
借金は7年ほどで返し終わったといいますが、貯金はゼロ。それでいて年金は月5万円。ちなみに保険料を40年間払っていれば、満額月6.8万円(令和6年度)受け取れるはずだが……。
――売上が厳しくなったときに保険料を払えないから、猶予してもらったの。以来、払っていないんだよね
現在、時給1,130円の介護職のアルバイトを中心に、夜は飲食店(時給1,450円)と警備員(時給1,800円)のトリプルワーク。完全に仕事がないのは日曜日のみ。他は朝から晩まで働き、疲れが取れないまま、また仕事へ……そんな生活を続けています。
――給与は全部合わせると月30万円くらいにはなるかな。税金とかでずいぶんと持っていかれるけど
生活費以外はすべて貯金。3年で400万円ほど貯まったといいます。しかし、働けるうちは働かないとすぐに生活が立ちゆかなくなることは目に見えています。
――年金が月5万円もないからな。仕事をしないとあっという間に貯金が消えていくから、辞めるに辞められねえよ
――70を超えても働かないといけないなんて。調子にのっていた若いときの自分に教えてやりたいよ
前出の内閣府の調査で、「何歳まで仕事をしたいか、またはしたか」を尋ねたところ、「61~65歳」が最多で28.5%。70歳以降の回答は21.1%で、8割近い人が70歳を前には仕事から引退する自分をイメージしています。ただ低年金の場合、安田さんのように仕事の辞めどきがみえない、という状況に陥ることも。そうならないためにも、早めの資産形成が必須であることはいうまでもありません。
[参考資料]