定年後の生活。これまで家のこと、子どものことは妻にまかせっきりだったから、妻孝行をしなければ……そんなことを考えているサラリーマンも多いのでは。しかし妻の思いは、ほかのところにあるようです。
「月収70万円」「退職金2,800万円」会社を去る決断をした60歳の金融マン、単身赴任を終えて帰京。夫婦水入らずの生活が始まるはずが、妻の「まさかのひと言」で終了【転勤族の老後事情】 (※写真はイメージです/PIXTA)

大企業で勤続35年以上なら退職金は2,000万円超え

退職金の受け取り方は、全額を一括で受け取る「退職一時金」、何年かに分けて受け取る「退職年金」、退職一時金と退職年金の「併用」の3パターン。一時金で受け取るメリットは税負担が軽くなること。デメリットは退職年金に比べて受取総額が少なくなる可能性が高いことです。一方で、年金で受け取るメリットは、職金の運用益が上乗せされるため受取総額が増える可能性があること。デメリットは税負担が高くなる可能性があることです。

 

厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』によると、「退職給付(一時金・年金)制度がある」のは74.9%。「従業員1,000人以上企業」では90.1%、一方で「従業員30~99人企業」では70.1%。企業規模が大きい企業ほど、退職金制度がある企業が多くなる傾向にあります。

 

また業界によっても異なり、「鉱業、採石業、砂利採取業」で97.6%をはじめ、「電気・ガス・熱供給・水道業」「金融業、保険業」「複合サービス事業」は9割以上の企業が退職給付金制度を整えていますが、「生活関連サービス業、娯楽業」で67.8%をはじめ、「運輸業、郵便業」69.9%、「情報通信業」74.6%、「不動産業、物品賃貸業 」74.7%。業界によって20ポイント超の差があります。

 

さらに「退職一とき金のみ」は69.0%、「退職年金のみ」は9.6%、「両制度併用」が21.4%。会社によって制度が異なるので、事前に確認しておきたいもの。支払時期に規定はありませんが、退職から1~2ヵ月後、というのが一般的です。

 

また退職給付金額は、大学・大学院卒で平均1,623万円。高校卒で1,378万円。また勤続35年以上になると1,822万円、さらに従業員1,000人以上の大企業になると、2,018万円と2,000万円を超えます。ちなみにこの場合、退職時の月収は55.0万円。月収換算36.7ヵ月分の退職金が支払われています。