倹約家の老夫婦、孫のために毎年100万円をコツコツ貯金
結婚50年だという、佐藤実さん(仮名・78歳)和子さん(仮名・76歳)。年金は実さんが月20万円、和子さんが月8万円ほど。手取りにすると夫婦で月24万円ほどだといいます。対し、生活費は月に12万円ほど。
――定年前に(住宅)ローンを返し終わったし、使うことといえば食費と光熱費くらいだから。元々お金を使うほうではなかったし
年金だけでは生活できない……そんな声が聞こえるなか、月10万円以上も余裕のある生活を送ってきた佐藤さん夫婦ですが、残ったお金はすべて孫の大翔くん(仮名)のために貯金してきたといいます。
佐藤さん夫婦には、長男・大輔さんと次男・拓也さんがいますが、孫は大翔くん。大輔さん・拓也さんの年齢を考えても、さらに孫が増えるとは考えにくい……そのため、夫婦の愛情は大翔くんひとりに注がれてきたのです。
大翔くんが誕生してから、大翔くん名義の口座をつくり、コツコツと貯金。毎年100万円、10年間で1,000万円になっていたとか。毎年100万円としていたのは、「年間110万円以内の贈与なら贈与税はかからないから」。最近、よく耳にするこの常識を佐藤さん夫婦も事前に知り、税金がかからないように注意を払ってきた、というわけです。
ちなみに、この110万円というのは、1人の人が1年間に受け取った財産の合計額であり、1人の人が贈与した金額ではありません。仮に実さんから100万円の贈与、和子さんからも100万円の贈与があったら、110万円を超える部分に対して10%~55%の税金がかかります。