不動産投資に興味があるものの、具体的にどのようなメリットやデメリット(リスク)があるのかわからないと、お困りの方もいるのではないでしょうか。本コラムでは、不動産投資の主なメリットとデメリット(リスク)について具体例を交えてわかりやすく解説します。また、不動産投資のリスクを軽減する方法や年齢別の投資手法についても解説しますので、不動産投資を始める前にぜひ参考にしてください。

不動産投資に潜むデメリット(リスク)

(画像:PIXTA)
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不動産投資にはさまざまなメリットがある一方で、デメリット(リスク)が存在します。ここでは9個に分けて不動産投資のリスクと対策について簡単に紹介します。より詳細なリスクの内容・対策については下記の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。

 

【関連記事】不動産投資のリスクとは?9つのリスクとその対策

 

【不動産投資に潜むデメリット(リスク)】
  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 家賃下落リスク
  • 事件事故リスク
  • 修繕リスク
  • 物件価格変動リスク
  • 金利上昇リスク
  • 災害リスク
  • 法的・財務的リスク

 

空室リスク

不動産投資における空室リスクは、収益を左右する大きな課題です。空室が発生すると家賃収入が途絶える一方で、管理費や修繕積立金、ローン返済などの費用は継続して発生するため収支が悪化します。

 

リスクを抑える主な対策として、まず何よりも賃貸需要が高いエリアの物件を選ぶことが重要です。

 

さらに、入居者募集に強い賃貸管理会社を選ぶことで効率的に空室を埋めることができます。管理会社の選定にあたっては募集力や実績をしっかりと確認しましょう。

 

家賃滞納リスク

家賃滞納リスクも不動産投資の収益計画を大きく狂わせる原因になります。日本では入居者を強制的に退去させることが難しいため、滞納が長期的に起こることもあります。

 

このリスクに対する対処法としては、入居者募集にあたっての条件や希望などをあらかじめ賃貸管理会社との間で決めておくことが有効です。

 

また、入居の条件として家賃保証会社の加入を設定することで、滞納が発生した際のリスクを軽減できます。保証会社の加入により、家賃滞納時でも一定の収入を確保でき、安心して投資を行うことが可能です。

 

家賃下落リスク

家賃の下落リスクは、物件があるエリアの衰退や市場競争の激化、物件の経年劣化などにより発生します。このリスクを回避するためには、まず購入する際に好立地の物件を選ぶことが重要です。賃貸需要が安定しているエリアを選ぶことで、家賃の下落を防ぎやすくなります。

 

また、人気の設備を採用することも、家賃を維持するための有効な手段です。物件の魅力を高めるために、時代に合わせた設備や内装を取り入れるようにしましょう。

 

事件事故リスク

事件事故リスクとは、物件内で起きる殺人事件・自殺などが発生するリスクのことです。

 

これらの事件事故が発生すると、物件のクリーニングに多額の費用がかかるほか、物件自体のイメージが低下し、その後空室が続いたり売却価格が下落したりする可能性があります。

 

事件事故リスクをゼロにすることは難しいため、あらかじめ保険に加入しておき、万が一の損失に備えるようにしましょう。もっとも、保険でカバーできるのはあくまで原状回復費のみであり、その後の空室リスク・家賃下落リスクまで補償されるものではない点に注意が必要です。

 

修繕リスク

修繕リスクとは、建物内外の設備が劣化または故障し、修繕が必要になるリスクを指します。

 

アパートやマンションだと、エレベーターなど高額な設備の修繕が突発的に発生することもあるため、十分な資金を確保しておくことが重要です。修繕費は物件のタイプや築年数により異なりますが、特に11〜15年目や21〜25年目に大規模修繕が必要になることが一般的です。

 

リスク軽減策としては、修繕履歴と建物状況をチェックすることに加え、マンションであれば長期修繕計画や修繕積立金の積立額を事前に確認しておくことが重要です。

 

物件価格変動リスク

物件価格変動リスクとは、物件の売却価格が想定していた売却価格を下回るリスクを指します。特に、売却価格がローン残高を下回ると、ローン完済するための資金を売却価格から捻出できず、不足金を別途用意しなければなりません。

 

一般的に、不動産価格は築年数に応じて下落し、特に築30年を超えると価格が大幅に下がる傾向があるため、売却を考えている場合には築30年を一つの基準とするといいでしょう。

 

このリスクを軽減するには、定期的なメンテナンスを行い物件の価値を維持すること、そして賃貸需要が高く地価が下がりにくい好立地を選ぶことが重要です。

 

金利上昇リスク

金利上昇リスクは、借入期間中に、金融機関の基準金利が上昇することによって発生します。

 

このリスクを軽減するためには、金利の動向を見極めて対策を講じることが重要です。例えば、長期的に低金利が続くと判断すれば、変動金利を選びつつ繰り上げ返済で元本を減らすことが有効です。一方で金利上昇が予測される場合には、固定金利への借り換えを検討するのも一つの方法となります。

 

ただし、固定金利を選択できる金融機関は限られています。また、借り換えも検討する場合は登記費用や事務手数料など諸費用が発生するため、金利の条件だけでなく総合的に判断しましょう。

 

ローンの返済方式には元金均等返済と元利均等返済があり、それぞれの特性を理解して選択することが重要です。

 

【関連記事】不動産投資における金利上昇リスクとは?影響と対策を解説!

 

災害リスク

自然災害による物件の損壊は、不動産投資における大きなリスクの一つです。特に日本は地震や台風などが多発するため、災害リスクを無視することはできません。

 

このリスクを軽減するためには、まずハザードマップを活用し、災害リスクの少ないエリアにある物件を選定することが重要です。また、物件の耐震性や耐久性を確認し、災害に強い建物を選ぶこともリスクを減らす手段となります。

 

さらに、火災保険や地震保険に加入するなど、災害発生時の損害を補償できる体制を整えることも必要です。

 

法的・財務的リスク

不動産投資には、法的・財務的なリスクも存在し、契約や法規制に関する知識が不足している場合、思わぬトラブルに発展することがあります。

 

このリスクを回避するためには、最新の法規制や税金に関する情報を収集し、適切な対応を取ることが重要です。また、税金の仕組みを理解し、必要な税務処理や経費管理を正しく行うことで、余計な支出を防ぐことができます。

 

法的・財務的なリスクを軽減するためには、しっかりと知識を身につけておくことも重要ですが、弁護士や税理士などの専門家のアドバイスを受けることも検討しましょう。

 

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