「河合塾」と「駿台」でどう違う?…入試突破のために知っておきたい、各予備校の「東大模試」傾向【現役東大生が伝授】

「河合塾」と「駿台」でどう違う?…入試突破のために知っておきたい、各予備校の「東大模試」傾向【現役東大生が伝授】
(※画像はイメージです/PIXTA)

過去問と並んで受験生が何度も取り組む「模試」。なかでも東大や京大、早慶といった難関大学には、「大学別模試」が用意されています。しかし、この大学別模試の受け方を誤ると痛い目を見る、と偏差値35から東大合格を果たし、書籍『東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全』(幻冬舎)を監修した現役東大生の西岡壱誠氏はいいます。「東大模試」の具体的な傾向と対策について、詳しくみていきましょう。

河合塾は採点がゆるめ、駿台はトリッキー…各予備校の「傾向」

もう少し細かく、東大模試の特徴について説明します。実は東大模試は同じ形式でも各予備校によって違う特徴が多くあります。一番分かりやすい違いは「配点」です。

 

実は東京大学は、実際の試験の解答や配点を開示していません。だから予備校は配点を予想して東大模試を作るのですが、この予想配点が予備校によって違うのです。

 

例えば、東大世界史の第1問は毎回長文記述問題であることが多いですが、模試の配点が予備校によって全く違います。大手予備校と呼ばれる次の3社でいえば、河合塾は20/60点、駿台予備校は30/60点、東進衛星予備校は25/60点となっていると言われています。

 

最終的にどの予想が正しいかは分かりませんが、これによって第一問が得意な学生は、駿台では有利だが河合塾では不利という結果が出ます。

 

また、問題の性質も違います。河合塾では徹底的に過去問からの傾向で出題されているのに対し、駿台では比較的トリッキーで、過去の傾向にとらわれない問題が出題されていると考える東大生もいます。

 

これは科目や年度によって変わるため一概に判断はできませんが、出題内容にも各予備校で違いがあることは否定できないと思います。

 

採点の厳しさも予備校によって大きく違うと言われています。河合塾が比較的緩い採点なのに対して、駿台は採点が厳しくて全く点がもらえないというのはよく聞く話です。

 

例えば、駿台では東大でよく問われる「30字で説明しなさい」「60字で述べなさい」などの問題に対して、「(1)」などその問題の問題番号を文字数に含めて述べないと1点減点されてしまいます。

 

また、これは年によっても違うのですが、「指定語句に下線を引いて答えなさい」などの問題で線を引いていなかった場合に、河合塾だと1点減点で済みますが、駿台だとごっそり点数が引かれてしまうなんてこともあります。

 

ちなみに、東進衛星予備校は中間くらいで、採点は甘くも厳しくもなく、トリッキーな問題も出るけれどデータも尊重している傾向にあると思います。まとめると以下のとおりです。

 

駿台:採点が厳しく、比較的トリッキーな問題が多い

河合塾:採点がある程度緩く、過去の出題データに裏打ちされた問題が多い

東進:河合塾と駿台の中間くらいの採点基準、問題が多い

 

東大模試のオススメの受け方は?

東大模試のオススメの受け方としては、6月の東進模試と8・11月の駿台と河合塾の模試をそれぞれ1回ずつ、そして直前期にいずれかの模試をもう1回という合計6回の受験です。

 

1回目は一番早い東進の模試で慣れて、受験者が多い8月と11月の駿台、河合塾の模試で実力を確認し、さらに直前期に最後の腕試しというルートになります。 現役の受験生は8月か11月どちらかの模試でC判定が取れたら喜んでいいと思います

 

もっと頑張れば必ず合格できる位置にいると言えるでしょう。

 

 

西岡 壱誠

株式会社カルぺ・ディエム

代表

 

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本連載は、西岡壱誠氏の著書『東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全』(幻冬舎)より一部抜粋し、再編集したものです。

東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全

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西岡 壱誠

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