複雑な年金制度ですが、なかには「なんでこんな決まりが?」と首を傾げたくなる規定も。そのひとつが「在職老齢年金」。50万円の上限を超えると年金が停止になるという決まりに、憤りを隠せない人も大勢いるようです。
知らなかった…年金月23万円・66歳サラリーマン、日本年金機構からの「年金停止」の通知に怒りも、会社員を続けたほうが得なワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

業務委託契約なら65歳以降も「思い切り働ける」というが

内藤さんが年金停止のショックを大学時代の友人に話したときのこと、その同期から「俺は雇用形態を変えてもらったから、働き放題だけどな」とどこか勝ち誇った顔。その友人は、現在勤めている会社と「業務委託契約」を結んでいる、つまり社員ではないのです。

 

――厚生年金に加入していないから、年金停止の対象にならないんだよ

 

在職老齢年金で年金停止となるのは、厚生年金保険に加入しながら働く場合。その友人はどんなに収入があろうが、年金停止にはならないというのです。

 

――なるほど、その手があったか……うちの会社はどうなんだろう

 

早速問い合わせてみるといったところ、「ちょっと待ちな」と友人。「業務委託契約ということは、ようはフリーランス。健康保険は自分で払うんだけど、それが結構な額なんだよ。会社の健康保険に入ったほうが得の場合もあるから、早まるな」とアドバイス。

 

内藤さん、自分の場合をシミュレーションしてみると、会社から天引きされている社会保険料は年63万円。一方で個人で社会保険に加入したら、たとえば東京都渋谷区の場合だと年84万円となりました。その差20万円となり、現状では年金が支給停止となっても、会社員として働くメリットは大きいいといえるでしょう。また厚生年金に加入しながら働いていれば、その分の老齢厚生年金が増えるというメリットも。

 

在職老齢年金は時代遅れといわれ、廃止の方向で調整中とはいうものの、いまのところはルールが適用されてしまいます。いろいろなことを加味して検討。もっとも適した働き方を考えていきたいものです。