離婚時の養育費の取り決めと親の最終学歴の関係
最近、スーパーで働き始めた鈴木織枝さん(仮名・68歳)。働くのは20年ぶりのことだといいまます。
――娘が出ていってしまって。年金月12万円だと、生活が苦しくて
織枝さん、20代前半で結婚し、幼い娘たちをもうけますが30歳になる前に離婚。幼い娘をひとりで育て上げました。離婚した元夫からは養育費などは一切もらっていません。
――もちろん養育費はもらいたかったけど、絶対無理とわかっていたので、争うことをやめました
結婚した当初、元夫は働いていましたが、段々と家にいることが多くなり、離婚する直前は、働くことを放棄していたといいます。そんな元夫に養育費の取り決めを行ったところで振り込まれる可能性はゼロに近い、だから最初から養育費の取り決めなどは行わず、早く離婚することを選びました。
厚生労働省『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査』によると、母子世帯のうち、離婚時に養育費の取り決めをしているのは42.9%。そのなかできちんと文章があるのは73.3%で、残りは文書なし。口約束などです。また母の学歴別に養育費の取り決め状況をみていくと、中学卒では28.2%、高校卒では39.5%、短大卒で59.6%、大学・大学院卒で67.0%と、養育費の取り決め状況と母親の最終学歴には密接な関係があります。
また養育費の取り決めを行わなかった理由を問うと、最多は「相手と関わりたくない」で50.8%。「相手に支払う意思がなかった」で40.5%、「相手に支払う能力がないと思った」33.8%、「取り決め交渉の煩わしさ」19.4%と続きます。織枝さんのように、相手に支払う能力がないと、早々に見限るケースは多いようです。
――そうですね。私、高校を中退しているので……もっと学があれば、見切り発車的な離婚はしなかったかもしれないし、そもそも、あんな人と結婚することなんてなかったのかもしれませんね