さまざまな理由でひきこもり状態となっている中高年。なかには、自宅に引きこもるようになって20年以上と、引きこもりが長期間に及ぶ場合も。引きこもりの生活を親が支える、ということも珍しくありません。しかし、通常は親が先に亡くなるもの。そのとき、引きこもりの中高年は……。
引きこもり40代のひとり息子をもつ母…脳梗塞の後遺症で左半身にまひがのこり
転機が訪れたのは半年ほど前。美代子さん、脳梗塞で倒れて入院。一命を取り留めたものの、左半身にまひが残り、とても自宅には戻れそうもありません。
――介護施設に入るしか
そこで気になるのは直人さんのことです。そこで相談したのは、直人さんの従兄弟にあたる甥。もちろん「わかった、叔母さん、俺にまかせて」というはずはなく説教を受けたといいます。
――いずれ叔母さんはいなくなる。そのとき直人はどう生きていくのか?
――甘やかしてダメにした責任は叔母さんにもある
直人さんが20年以上も引きこもり状態になってしまったのは、自分にも責任がある……薄々自覚していたことですが、甥にストレートにいわれてショックを受けたといいます。また現実問題、施設に入所するためにはお金が足りません。現実問題、自宅を売却する以外は、方法は残っていなかったのです。
一時的に引き取るのはいいが、働かないなら追い出す。また、いずれは出ていってもらう――このことを条件に一時的に甥の家に住むことになった直人さん。ただ20年以上に及ぶ引きこもりの代償は大きく、なかなか仕事が見つけることはできていないといいます。
[参考資料]