怒りっぽい上司がいる職場は、心理的安全性が低く、社員のモチベーション低下や離職につながる可能性があります。しかし、怒りをコントロールし、冷静に対応できる上司がいる職場は、社員が安心して意見を交換でき、創造性を発揮できる環境が生まれるようです。本記事では、上級心理カウンセラーである野口雄志氏の著書『最大の成果をあげる心理的安全性マネジメント 信頼関係で創り上げる絶対法則』(ごきげんビジネス出版)より一部抜粋・再編集して、怒りをコントロールするための具体的な方法について解説します。
常にビクビク、緊張の毎日…いつも怒っている部長へ。部下「人の管理の前に怒りの管理をしてください」【上級心理カウンセラーが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

怒りっぽい人の訓練…7つのポイント

1.不適切な感情表現を絶対にしない

怒りの管理が不十分な場合、過度な感情の爆発や攻撃的な行動が起こり得ます。これは他者への恐怖や不信感を引き起こし、チームメンバーが意見や懸念を表明することをためらわせる可能性があります。

 

2.自らの信頼の喪失につながる

怒りを適切に管理できない人は、他者からの信頼を失いやすくなります。信頼関係が損なわれると、チーム内のコミュニケーションと協力が妨げられ、心理的安全性が低下します。

 

3.防御的な姿勢の促進がまわりで起こる

怒りの表現が一般的な環境では、人々は防御的になりがちです。これにより、オープンで正直なコミュニケーションが阻害され、創造的な意見交換や問題解決が困難になります。まわりの人が口をきかなくなります。

 

4.他者のストレスと不安を増加する

慢性的な怒りの表現は、チーム内のストレスと不安を高めることがあります。メンバー個人のウェルビーイング(心身の健康)に悪影響を及ぼし、生産性や創造性の低下につながります。

 

5.非建設的なフィードバック

怒りの感情が絡むと、フィードバックが攻撃的または非建設的になる傾向があります。これは受け取る側の学習や成長を妨げ、心理的安全性を損なう可能性があります。これではフィードバックにならず、単なる小言や文句をいうだけになり、議論の目的が建設的とはなり得ないのです。

 

これらの課題を理解し、適切に対処することで、アンガーマネジメントの問題が心理的安全性に与える影響を軽減することが可能です。

 

 

 

野口 雄志

グリットコンサルティング合同会社

代表

 

※本記事は『最大の成果をあげる心理的安全性マネジメント 信頼関係で創り上げる絶対法則』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。