
日本企業の長時間にわたる会議で
「真面目な話を楽しくすること」
会議の在り方で会社員時代に気にしていた言葉です。
そもそも会議を開くときには、自分の時間も相手の時間も使うために、どのようにしたら効率的な会議ができるかを常に考えなければなりません。会社によって違いますが、日本の会議では時間が長く、何をやったのかわからない会議が多いそうです。職場内会議の場合では、招集がかかり目的も事前情報もまったくなく会議室に集められ、上司からの注意や報告事項のように、情報の一方通行の会議が多いとよく耳にします。コンサルティングをしていると、「会議の方法」を教えてほしいとの要望もあります。
心理的安全性を高めるためには、会議といえども手を抜いてはいけません。むしろ会議ほど安心・安全な意見交換ができる場です。会議を開くことをチャンスと捉えて考えます。
日本企業での会議の進め方には、文化的な要因や組織の伝統によって問題点が指摘されています。積極的に改善・改革を行わないと安心・安全な場づくりからも効率的な働き方からも取り残されてしまいます。
会議改善と心理的安全性を高めるヒント
会議改善と心理的安全性を高めるヒントを挙げてみます。
1.会議時間の短縮化を図る
まずは30分でできる会議を取り組んでみます。最長でも1時間で終わりにするためには会議の進め方も変えてみます。
2.会議の目的を明確化する
意見交換の場なのか、意思決定の場なのか、報告の場なのかを明確にし、参加者の事前意識形成を行います。
3.会議スタイルに多様性をもたせる
前述の目的に合わせた会議スタイルを設定します。パソコンの持ち込みを禁止し、社内の会議室から社外のスペースで開催することも効果的です。会議ルールの変更や事前の意見交換をオンライン会議で徹底するなど、いつもの同じ会議スタイルから改革を試します。
とくにオススメしたいのは、オフサイトでのミーティングです。新しいアイデア出しのための会議や、全員で来期の企画計画案を検討する場合には、いつも会議をしている場所ではなく、別の雰囲気で行うことが最適です。規模の小さい会議ならば懇親会付きの合宿などもいいでしょう。メンバーがいつもと一緒でも場所や雰囲気が変わるだけで、気分的に高まる効果が大きいといわれています。行動心理学でも実証されているキャンディ効果で報酬を明示しておくと、よい気分をもって会議に臨むことができるでしょう。「懇親会」を開くことを事前に知らせておくことで、よい気分からよい議論に発展していきます。
私も会社員時代に、新しい改革案やアイデア出しが必要なときに部員を集め、懇親会付きのオフサイトミーティングを開催し、とてもよい成果をあげました。気楽な気分で参加する楽しい会議こそが、参加する人たちがよい気分をもち、笑顔で会議に臨むことができます。いつも眉間にしわを寄せて会議をしている方々、気分・雰囲気・場所を変えて会議の改革に一歩踏み出しましょう。
それにより間違いなく成果が生まれることになります。これこそが心理的安全性の原点になります。
野口 雄志
グリットコンサルティング合同会社
代表
※本記事は『最大の成果をあげる心理的安全性マネジメント 信頼関係で創り上げる絶対法則』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。