テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、株式投資家の株主優待に対する考え方を調査する目的で、現在、株式投資を行っている20歳以上の男女291名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、投資判断における株主優待の影響力の大きさが見えてきました。
株主優待銘柄を保有している割合は約7割!投資家の「株主優待」に対する考え方とは?【調査結果】 (※写真はイメージです/PIXTA)

2.株主優待の内容を重要と考える投資家は69.8%

次に、株式の購入において株主優待の内容をどの程度重要視するか質問した結果です。

 

[図表3]株式を購入するにあたって、株主優待の内容はどの程度重要ですか?

 

「やや重要」と回答した人が非常に多く43.0%で、これに「非常に重要」が26.8%、「あまり重要ではない」が25.8%で続くという結果となりました。「全く重要ではない」と回答した人はわずか4.5%にとどまっています。

 

「非常に重要/やや重要」と回答した人を合計すると69.8%となっており、株式の購入判断において株主優待の内容も意識している人が多いことがうかがえます。

 

【参考情報】株主優待内容の重要性(保有株式評価額別)

次のグラフは、株式購入にあたって株式優待の内容を重視する人の割合を、株式保有金額別に集計したものです。

 

[図表4]株式を購入するにあたって、株主優待の内容はどの程度重要ですか?

 

「非常に重要」と回答した割合が最も高いのは、株式保有金額が「500万円~1,000万円未満」で、33.3%となっています。これに続くのは「100万円未満」の29.5%、「300万円~500万円未満」の28.3%という結果です。

 

株式保有金額が1,000万円を超えるとこの割合が大きく減り、「1,000万円~2,000万円未満」では19.2%、「2,000万円以上」では22.7%となっています。

 

「非常に重要/やや重要」の合計に注目すると、最も割合が高いのは「500万円~1,000万円未満」で78.8%となっています。この割合は基本的に株式保有金額が増えるほど高くなっていますが、1,000万円を超えるところで頭打ちとなり、「2,000万円以上」では大きく下落して59.1%でした。

 

以上のことからは、株式保有金額が1,000万円までは株主優待の重要性が高まっていきますが、1,000万円を超えてくると重要性が薄れていくようです。

 

3.株主優待を意識する投資家でも「優待クロス(つなぎ売り)」を行うのは20.7%だけ

「優待クロス(つなぎ売り)」は、リスクを抑えて株主優待を取得するための投資手法です。

 

権利付最終日までに同じ銘柄/同じ株数/同じ株価で現物買いと信用売りを同時に行い、株価変動リスクを抑えながら株主優待の権利を得ることを狙います。

 

前項で株主優待について「非常に重要/やや重要」と回答した人を対象に、この優待クロスの取り組み状況を質問した結果が以下のグラフです。

 

[図表5]「優待クロス(つなぎ売り)」を知っていますか? また、行ったことがありますか?

 

「知っており、実際に行ったことがある」と回答した人は20.7%にとどまり、大半の人が実施したことがないという結果になりました。また、「始めて聞いた」は30.5%、「聞いたことはあるが、よく知らない」は18.2%で、優待クロスについてよく理解していない人が48.8%と約半数に上っています。

 

このように、株主優待を重要視している人であっても、優待クロスのようなテクニックに対する認知度が高いとはいえず、かつ、実践している人も限られているようです。