自宅での暮らしに不安を覚えたり、限界を感じたりしたとき、有力な選択肢になるのが老人ホームです。しかし、一度、入所が決まったからといって安心できるものではありません。
お願い、誰か来て!年金15万円・82歳女性「老人ホーム入居」も、わずか「2ヵ月」で起きた緊急事態に悲鳴 (※写真はイメージです/PIXTA)

老人ホームに入所を考え始める疾病、トップ2「骨折」と「脳血管疾患」

自宅で生活が難しくなったらどうしよう、と考えたときに解決策としてあがることの多い老人ホーム。株式会社LIFULL seniorが行った『介護施設入居に関する実態調査 2023年度』によると、「老人ホームへの入居を考えるきっかけになった状況」で最も多かったのが「認知症があった」で46.0%。続いて「認知症以外の疾患があった」で33.3%、「入院していた」29.6%。さらに「特に疾患はなかったが将来を考えて」が12.7%と、昨今は健康であっても老人ホームに入所する人も多いようです。

 

認知症以外の疾患というと、具体的にどのような疾患なのでしょうか。最も多かった疾患は2つでひとつは、大腿部頸部骨折など「骨折」、もうひとつが脳卒中や脳出血、脳梗塞などの「脳血管疾患」でともに17.0%。続いて「糖尿病」が15.9%、心不全や心筋梗塞、心臓弁膜症などの「心疾患」が13.2%と続きます。「骨折」や「脳血管疾患」など、後遺症などで日常生活が困難になるものや、「糖尿病」など食事コントロールなどの面から専門家と距離が近いほうが安心という疾患が上位を占めています。

 

また老人ホーム入所前の在宅介護期間は、最多が「1~2年未満」で18.5%。自宅での介護期間はない」が15.4%を占める一方、「在宅介護3年未満」が59.6%でした。

 

高橋圭子さん(仮名・82歳)も骨折を機に要介護となり、老人ホームの入所を決めたひとり。

 

――2ヵ月ほど入院していたらすっかり足腰が弱くなって……娘たちも遠くに住んでいるから来てもらうのも難しいので、施設に入所するしかないかと思いました

 

入居したのは、家賃の前払いにあたる入居一時金は300万円、月額費用が20万円ほどの施設。高橋さんが受給する年金は月15万円ほどだったので、月20万円の出費を上限と考えていたといいます。

 

――スタッフのリーダー!? のような人が頼もしくて親切で。それも大きな決め手ですね。色々と面倒をみていただくのに、結局は人ですから