大企業の部長まで上り詰めた勝ち組サラリーマン…転落の理由
岡田浩一さん(仮名・61歳)も、結婚30年で離婚を経験したひとり。結婚して1男1女をもうけ、子どもは2人とも大学に進学し社会人に。マイホームも購入し、すでにローンも払い終えています。会社では大企業の部長にまで昇進。最高月収は120万円、60歳で定年を迎えた際、3,200万円と平均を大きく超える退職金を手にしました。サラリーマンのなかでも勝ち組といっても過言ではないという自負もありました。
これまでの経験を活かしてほしいと誘いがあり、定年を機に異なる会社に転職。新たなステージで奮闘しています。そんななか、妻からの離婚の申し出。まさに寝耳に水だったといいます。
離婚原因はさまざまありますが、ぐうの音も出ないものばかりだったとか。
・子育てや介護を妻だけに押しつけ感謝を伝えない
・仕事に没頭し、家庭を顧みない
・「俺は働いているんだぞ」などと、少々モラハラ気質
一番きつかったひと言は、「老後、一緒にいるイメージが描けない」。65歳くらいまで働き、仕事から引退したら妻と穏やかに暮らす……そんな老後を当たり前のように考えていただけに、大きなショックだったと振り返ります。
半年ほどの話し合いの末、離婚が成立。マイホームには妻が住み続けることになったので、岡田さんは会社近くのマンションで1人暮らしを始めることに。
――1人暮らしなんて学生のころ以来なので新鮮ですよ
そういうものの「家事力ゼロ」というだけあり、家は散らかり放題。またお湯を沸かすこと以外はできないので自炊はできず。食事はカップラーメンが定番だとか。
――カップラーメンにカット野菜をつけたら、栄養面も心配ないですよね
そうはいうものの、ひとり寂しくカップラーメンをすすっていると「惨めだな」と気分が沈んでしまうとか。
――こんな60代を迎えるなんて、思ってもいませんでした。正直、寂しいです……
孤独を感じる日々。いまは現役で仕事を続け、人との交流もあります。しかし、いずれは仕事を完全に引退する日が来るでしょう。そんな日を想像したときに目に浮かぶのは「孤独死」の3文字。そんな最期だけはごめんだと、最近は老人ホームの検索サイトで自分に合う施設はないか探すのが日課だといいます。
[参考資料]