介護度があがるほど、自宅→老人ホーム入居を希望…気になる費用は?
国土交通省の資料によると、第1号被保険者である高齢者3,588万人のうち、在宅が3,486万人。残り3%、102万人が老人ホームなどの施設に入っています。
また要支援者・要介護認定者690万人に焦点をあてると、在宅が493万人で全体の71%。有料老人ホームが49万人で全体の7%、認知症グループホームが21万人と全体の3%、特養や老健、介護医療員などの施設利用者は102万人で全体の15%となっています。
いつまでも自宅で……と希望する一方で、介護度によってその思いは変わるようです。「日常生活を行う能力がわずかに低下し、何らかの支援が必要な状態」では「自宅での介護を希望する(現に自宅で介護を受けている)」のは66.6%。介護度があがり「立ち上がるときや歩行が不安定。排泄や入浴などに一部、または全介助が必要な状態」では、在宅介護希望は27.0%。「1人では立ち上がったり歩いたりできない。排泄や入浴などに全介助が必要な状態」では、在宅希望は15.5%となります。
老人ホームのほうが安心なのか、それとも介護負担が増して大変な思いをしている家族をみるのが忍びないのか。理由はさまざまですが、介護度と介護場所の希望は、密接な関わりがあるようです。
老人ホームを検討する段階になった際、最初の懸念がその費用。老人ホームにかかる費用は、大きく入居するときに支払う「入居一時金」と、毎月支払う「月額利用料」の2種類。
入居一時金は家賃の前払いのようなもので、その費用はゼロ円から数千万円、富裕層が入居する高級老人ホームになると数億円というものも。また同じ施設でも、入居一時金がゼロ円のプランを用意するホームも。入居時の費用懸念を下げる一方で、その分、月額費用は高くなる傾向にあります。
また入居一時金には、初期償却と償却期間が設定されています。たとえば、入居一時金が1,000万円のホームで、初期償却が20%、償却期間が5年だとすると、入居後、クーリングオフの期間が過ぎると1,000万円の20%が償却。残り800万円が5年間で償却されていきます。たとえば入居後2年で退去することになった場合、初期償却金200万円と、2年分の償却金160万円、合わせて360万円が引かれて戻ってきます。
月額費用はホームによって何が含まれているかさまざまですが、家賃のほか、管理・維持費、食事、水道光熱費は含まれ、日用品や医療費、外部介護サービスは別途というケースが多いようです。