低所得世帯を対象に、電力・ガス・食料品等の価格高騰による負担を軽減する支援として支給されている「物価高騰緊急支援金」。しかし、本当に必要な世帯に届いているかどうかは疑問があり……。本記事では山本さん(仮名)と伊藤さん(仮名)の事例の比較から、個人税制と社会保障の現状についてニックFP事務所のCFP山田信彦氏が解説します。
金融資産1億円超、年収1,000万円…悠々自適な60歳元会社員のもとへ、市役所から「物価高騰緊急支援金・10万円」が届く理由【CFPが解説】 (※写真は実際の物価高騰緊急支援金の案内)

合理的な思考による資産の守り方

どうやらこの国での現状、最も理にかなったライフプランは、山本さんほどではなくても現役時代に金融資産をできるだけ増やしておき、老後は働かずにその資金で暮らしていくことのようです。

 

伊藤さんは「現役世代の消費拡大と高齢者の積極的就労」という国の主張に沿った模範的な生き方をしていますが、合理的な思考による最適化策としては山本さん型が正解という状況が続いています。

 

最後に山本さんはいいます。「自分はマイナンバー制度の利用強化による金融所得課税並びに社会保険料徴収制度の改革が必要だと感じる。しかし、本来それで恩恵を受けるであろう層が、なにか漠然と怖いと感情的に反対している状況は残念でたまらない」と。

 

 

山田 信彦

ニックFP事務所

代表