企業が新規出店をする際、立地戦略は非常に重要です。なかには駅からも遠く、これまで同じ場所で数々のお店が潰れてしまった土地をうまく活用している企業もあるようで……。戦略広報コンサルタントの井上岳久氏が、著書である『集客が劇的に変わる! クレーンゲーム専門店エブリデイの経営戦略 BAD プレイスでも儲かる理由』(ごきげんビジネス出版)より一部を抜粋・再編集し、一見立地が悪いとみなされる場所で集客できる理由を解説します。
「すぐ潰れるんじゃねぇの?」破棄に3千万円かかるパチンコ台が置き去りにされた“埼玉の陸の孤島”…地主も持て余す土地に出店したゲームセンターが余裕で元を取れた理由

「唯一無二」のブランディング

満を持してオープンした店舗には448台のクレーンゲームを置きました。「もっと多くの種類の景品をとりたい」という声にも応えて、景品アイテム数は5千点にのぼりました。設置したクレーンゲームのうち、約半数はおもちゃ・フィギュア、スクイーズ(やわらかくて触り心地のいい景品)、お菓子・食べ物(近隣に飲食店が少ないので、おなかが空いたら食べられるように)、時計・アクセサリー、生活雑貨に外国人客を意識した日本雑貨(箸や扇子、万華鏡など)、など景品業者が用意した景品を。

 

残り半数は、農産物を入れた採れ立てキャッチャーや、カレーキャッチャー、エブリディ名物の宝石キャッチャー、面白キャッチャー、五右衛門などのエブリディ独自キャラクターのTシャツや缶バッヂ、エコバッグなどが入っているエブリディオリジナルキャッチャーを設置しました。

 

クレーンゲーム初心者でも楽しめるための「100円で8回キャッチャー」や、ズバリ「10円キャッチャー」は、その後、大手のゲームセンターがマネをするようになりました。

陸の孤島に年間150万人を集客

結果、お店は大きな反響を得ました。グランドオープンの初日には、300台分を用意していた駐車場が満車となり、警備員も右往左往するほどでした。その後も、週末には店舗まで約2kmの渋滞ができるほどです。

 

多数のテレビ番組で取り上げられ、初年度の目標来場者100万人に対し、実際の来場者数は年間150万人を記録。これはよみうりランドや名古屋の東山動物園、長崎のハウステンボスなどに匹敵する人数です。誰もが危惧した陸の孤島に、クレーンゲームだけで、それほど多くの人を呼び寄せたのです。

 

 

井上岳久

戦略広報コンサルタント

 

※本記事は『集客が劇的に変わる! クレーンゲーム専門店エブリデイの経営戦略 BAD プレイスでも儲かる理由』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。