業績好調で夏のボーナスも良好だったが…
日本経済団体連合会(経団連)『2024年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)〔最終集計〕』によると、大手企業156社の夏の賞与は平均94万1,595円で、前年比4.23%増となりました。
業種別に見ていくと、トップは「建設」が134万6,085円(前年比7.44%増)、「機械金属」が114万2,472円(前年比6.94%)、「食品」が113万5,683円(前年比4.13%)。また続く「商業」が113万1,593円で、前年比38.30%増と、増加率では業種別でトップとなりました。
また株式会社フリーウェイジャパンの調査によると、中小企業において、夏のボーナス、支給済み、および支給予定は39.2%で、昨年よりも7.9ポイント上昇。平均額は約35万円で、昨年の夏のボーナスとの増減を聞いたところ、「増加」が39.5%、「変化なし」が57.9%、「減少」が2.6%でした。
大企業と中小企業で状況は異なるものの、好調な企業業績を反映して、今年の夏の賞与は昨年と比べて増加というケースが多かったようです。
サラリーマンにとってはウハウハの夏でしたが、少々浮かない顔を浮かべる人も。
「ボーナスが良くて、不満な人がいるの?」と不思議に思うでしょうが、田中太一さん(仮名・66歳)は、想定以上の賞与額に複雑な表情を浮かべた人のひとり。
――まさか、夏のボーナスがこんなにもらえるなんて、想定外でした
現在、勤めている会社では、65歳が定年だったという田中さん。雇用延長制度があり、希望すれば70歳まで継続して働くことができます。ただし雇用形態は契約社員となり、月収は5~7割程度となり、賞与は業績によるというものの、基本的に見込めないというのが制度を利用して働いている諸先輩の声。正社員の頃と同じとはいきませんが「できるだけ老後は不安なく暮らしたい」「元気なうちは働いて収入を得たい」と田中さんは考えて、70歳まで働くことにしたといいます。