アッパーマスから準富裕層を目指すために必要な3ポイント
では、アッパーマス層から1つ上の段階である、準富裕層を目指すためにはなにをしたらよいのでしょうか。3つのポイントにまとめました。
1.資産を減らさない
当たり前ではありますが、いまある純金融資産を1円たりとも減らさないようにすることです。それには、もちろん、支出をコントロールすることも大切です。
アッパーマス層の3,000万円~5,000万円という金額は、使ってしまうとあっという間に目減りする金額です。たとえば、アッパーマス層になったからといって「FIREだ!」とすぐに退職をしてしまうと、月額20万円の生活費でやりくりした場合、14〜15年ほどで消えてなくなるでしょう。
現時点での年齢にもよりますが、これからも長く続く人生の中で必要となるお金をよく考えたうえで、支出と資産を意識的に管理していく必要があります。野村総研の調査によれば、超富裕層・富裕層に共通するコロナ禍以降の、投資や資産に関した考え方には、
「複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった」(50%)
「元本割れする可能性のある金融商品のリスクを、以前よりも気にするようになった」(46%)
など、時流に沿った資産が目減りしない方法に注意深いという共通点があります。このように、いまある資産を減らさないようにすることは、資産家になるためにとても重要であることがわかります。
2.資産を増やす
資産を減らさないようにといっても、資産を守りながら支出をコントロールするには限界がありますので、やはり、いまある資産を増やすための行動が必要です。アッパーマス層の方は、これまでも、収入の中から貯蓄をし、まとまった金額を株式投資・FX・投資信託・REITなどで運用しながら、着実に資産を増やしてきています。もちろん、これから先もこのやり方で資産を増やし、準富裕層以上になっていくことは可能ですが、金融商品とは実体を持たない経済のことですので、時流によって変動をしやすい特性があります。
そのため、頻繁に証券会社や銀行の管理画面をチェックすることができない忙しい方は、安全性を選択する代わりに、利率の低い商品を選ぶしかなくなってしまい、資産形成のスピードが鈍化してしまう傾向があります。今後、安全で確実に資産を増やす方法としては、マンション経営を視野に入れてみることをおすすめします。マンション経営は、不動産を扱いますので、金融商品とは違い、実体のある経済です。
不動産は、純金融資産としては扱われないのですが、将来、マンション経営のローンを完済して、家賃収入が100%収入として計上されるようになると、一気に純金融資産が増えていきます。
また、資産全体には、純金融資産と不動産の両方が含まれますので、不動産経営によって、時間の経過とともに資産を増やし、不動産の評価額換算で一気に富裕層にまで駆け上がることも可能です。マンション経営は、会社員を続けながら確実な収入を得られる方法として、ほとんどの資産家が昔から採用している、負担を少なく資産を増やす方法です。現在の日本は、副業を許可している会社も多いのですが、多くの方が副業で思うような結果を出せずにいるのは、時間と体力の限界があるからです。
ひとつの仕事を1人で行っていても時間がないのに、ふたつの仕事を1馬力でやることになるので、さらに忙しくなりますし、ほかの仕事を並行していると本業に差し障りが出ることがあります。
しかし、マンション経営であれば、運営管理は専門不動産会社に委託をすることができますので、本業が激務で、毎日、家に帰って寝るだけの方でも経営ができます。経営するマンションを増やしたい場合でも、専門の不動産会社が、条件に沿った物件を探し出してきてくれますので、経営者として決断と指示をするだけでマンション経営が成り立ちます。
このように、ある程度の余剰資金ができてきたアッパーマス層は、いままでのような金融商品の運用以外にも、不動産を扱っての資産形成をすることで、より確実に資産を増やしていくことができます。
3.プロに相談する
アッパーマス層が持っていなくて、準富裕層以上が持っているのは、金融や資産管理のプロに相談をし、任せるという発想です。アッパーマス層が相談をしない理由の1つに「自分はまだまだ、そんなことをお願いする立場にない」という、控えめな考え方があります。
しかし、各証券会社などの個別相談窓口や、資産管理部門(プライベートマネジメントなど)の担当者と相談をしながら金融商品を選び、自身の目指す資産づくりに適切なポートフォリオを作って運用していくことで、資産形成・資産管理・相続税対策・事業継承などの相談と管理以外にも、精査された情報を比較するところからのスタートになるため、資産を作りやすく、守りやすくなります。
金融商品だけでなく、マンション経営の場合は、自身で勉強するのと並行して、複数の不動産経営の専門会社に相談をしたうえで、会社の考え方や取り扱い商品を比較するほうが、短い時間で全体像を掴むことができるでしょう。なかでも、重要視すべきは、不動産経営の要である「入居者確保のための戦略」です。不動産経営によって資産を確実に作り、アッパーマス層から準富裕層以上になるためには、空室が発生しにくく、一度入居したら長期間にわたって賃料を支払い続けてくれる入居者の確保が必要です。
そのためには、これからの時代に必要とされているマンション経営のプランがあるかを軸に、各社を比較してみましょう。資産形成も含め、不動産経営のプロフェッショナルへ相談をしたうえで、自身の考え方と相性のいい会社を選ぶことが、最速で資産家になるための早道でもあります。
1つ上の層へいくために
アッパーマス層は日本の中で13.2%しかいない、お金持ちになるためのスタートラインのようなポジションであることがわかりました。また、貯蓄や運用などでコツコツと資産を増やしていけば、年齢に関係なく、目指せる場所でもあります。
アッパーマス層から準富裕層以上を目指すためには、単純な貯金だけでは追いつかないので、さらなる資産運用と、実体経済による評価額での資産を増やす方法として、不動産経営が最も適しているといえるでしょう。アッパーマス層の方、現在はマス層でアッパーマスに手が届きそうな方、どちらも、今後は資産運用を上手に取り入れることで、想定よりも早い段階で資産家の仲間入りを果たせるかもしれません。
<参考>
※1 株式会社野村総合研究所 野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2020/cc/1221_1
※2 賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/index.html
※3 法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果
山崎博久
リズム株式会社
アセットコンサルティング事業部長