20階建て以上、高さにして60メートル以上を誇る、タワーマンション。通称、タワマン。全国で進行中の再開発計画と共に語られることが多く、今後も増え続けるといわれています。なかでも東京・都心や湾岸エリアに建つタワマンは資産性が高く、今後も値上がりが期待できることから、投資対象としても高い人気を誇ります。そんなタワマン、いま、誰が買っているのでしょうか。調査結果から紐解いていきます。

高くて高くて手が出せないタワマン…いったい誰が買っているのか?

増え続けるタワーマンション。資産性の高さから、周辺相場よりも2~3割ほど高いといわれてきましたが、昨今の地価や建築費の高騰などにより、その販売価格はさらに一段、高くなっています。

 

そんなタワマンを誰が買っているのでしょうか。マンションリサーチ株式会社が2023年3月からの1年間、東京都湾岸エリアのタワーマンションで所有権移転した物件を調べたところ、「パワーカップル」が約30%、「外国人」が約4%、その他が「約65%」でした。

 

この調査ではパワーカップルを所有者が2名かつ所有者住所がともに同一の記載があるものと定義。購入物件価格は平均8,000万円ほど。所有者の持分割合は平均で59%:41%、債務額割合は61%:39%でした。またフルローン・オーバーローンを利用しているのは約6割で、残り4割は平均して購入価格の23%の頭金を払っていました。

 

ただ外国人割合が4%という結果に対して疑問があがり、同社は追加調査を実施。2023年7月からの1年間で所有権移転した、東京都中央区月島・晴海・勝どきの湾岸エリアタワーマンション(販売価格1億円以上)について調べています。

 

その結果、外国人比率は29.9%。また外国人のうち、日本国内金融機関から融資を受けている割合は54%。平均して購入価格の約79%の融資を受けていました。東京都中央区の湾岸エリアに限っていえば、外国人が3割という結果。タワマンのなかでも特に資産性が高いと判断されたものに外国人人気が集中しているといえます。

 

建設中の晴海のタワーマンション(撮影:THE GOLDONLINE編集部)
建設中の晴海のタワーマンション(撮影:THE GOLD ONLINE編集部)

 

乱立するタワマン。そのなかでもひと際資産性が高く、販売価格も一般人には手が出せないようなエリアでは、日本人に代わり外国人が有力な購入者……外国人には「安い!」「お買い得」な日本。その象徴が、東京・湾岸エリアのタワマンでみられます。

 

[参照]

株式会社 不動産経済研究所『超高層マンション動向 2024』

マンションリサーチ株式会社『中古マンション資料調査』

マンションリサーチ株式会社『中古マンション資料調査 追加調査』