現在円安は深刻な問題の一つとして挙げられます。円安リスクからの資産防衛、リスク分散などの観点から海外不動産投資を始めたいと思っていても、その資金調達や始め方が分からない方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、海外不動産投資で使えるローンはなにかといったことから、海外不動産投資のリスクまで詳しく解説します。海外不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

 

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海外不動産に国内不動産担保ローンを使うときの4つの注意点

前述のように海外不動産への投資には国内の金融機関の不動産担保ローンを使うことが最も一般的な方法です。ここでは海外不動産に国内不動産担保ローンを使うときの注意点を4つ紹介します。

 

・融資へのハードルが高い
・為替リスクに注意する
・フルローンを組めないことが多い
・担保にできる国内物件の所在地が限定される場合がある

 

融資へのハードルが高い

海外不動産を対象として融資を実施する金融機関はごく一部に限られ、融資の条件も厳しくなる傾向にあります。海外の不動産市場の情報やリスクが日本国内よりも不透明であるため、多くの金融機関は海外不動産の融資に対してより慎重になります。また、海外不動産の取引は国際的な法務や税務上の問題が絡むため、金融機関の審査や契約手続きに時間がかかります。そのため、海外不動産に国内不動産担保ローンを利用する際には購入を予定している時期から逆算して、出来るだけ早めに金融機関と相談を開始することが重要です。

 

為替リスクに注意する

国内の金融機関でローンを組む場合は為替相場の変動による「為替リスク」に注意しましょう。国内不動産担保ローンでは円建て融資となりますが、投資した不動産からの家賃収入はドルなどの海外通貨での回収となります。そのため、例えば円高に振れて1ドル当たりの円の価値が下がった場合には想定の収益を得られなくなるリスクもあります。

 

そのため、事前に金融機関に相談して通貨スワップなどの金融商品を利用したり、ローンは日々の自己資金の日本円で返済を行い、外貨での不動産収入をプールして円安の際に両替したりすることで為替リスクを軽減する方法もあります。

 

フルローンを組めないことが多い

海外不動産投資ではフルローンを組むのが難しい傾向にあり、個人としての属性や国内担保不動産の評価額にもよるものの、概ね購入物件価格の6~7割程度が融資取り扱いの上限となることが一般的です。海外不動産の現在や将来の価値は見積もりにくく、法的な規制の違いや為替リスクなどから、物件価格の一部や一定割合を自己資金で賄う必要があります。

 

しかし、個人としての属性や国内担保不動産の評価額によって変動することがあるため、まずは事前に金融機関へ相談をすることをおすすめします。

 

担保にできる国内物件の所在地が限定される場合がある

金融機関によって異なりますが、担保にできる国内不動産に所在地を限定している場合があります。例えばオリックス銀行では首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の居住用不動産を担保に入れる場合に限り、海外不動産の所在地を問わず融資を受けることができます。

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