現在円安は深刻な問題の一つとして挙げられます。円安リスクからの資産防衛、リスク分散などの観点から海外不動産投資を始めたいと思っていても、その資金調達や始め方が分からない方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、海外不動産投資で使えるローンはなにかといったことから、海外不動産投資のリスクまで詳しく解説します。海外不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

 

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海外不動産の購入で使えるローン4選

(画像:PIXTA)
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海外不動産への投資でも融資を受けて投資することが可能で、海外不動産投資で活用できるローンは大きく分けて4つあります。ここでは、海外不動産投資で活用できるローンについて解説します。

 

・現地の金融機関から借りる
・国内の金融機関から国内での物件を担保に借りる
・国内の金融機関の事業用ローンやフリーローン等を利用する
・国内の金融機関から投資先の海外不動産を担保に借りる

 

現地の金融機関から借りる

現地の金融機関でローンを組んで海外不動産を購入することが可能です。しかし、交渉や手続きを現地の言語で行う必要があり、その国での信用情報も精査されるため、日本に住みながら海外の不動産投資ローンを組むのは非常にハードルが高いと言われています。実際に国内の金融機関でも永住権のない海外在住の顧客を取り扱わないことが多いです。

 

また、現地の金融機関から借りることができたとしても融資可能な物件が限定される傾向にあります。融資対象となる物件はこれから建設される予定のプレビルド物件ではなく、完成している中古のレディプラン物件のみを対象とすることが多いです。

 

また、金利が国内のローンより高くなることも少なくありません。なぜなら、そもそも日本ではマイナス金利政策が導入されているため海外よりも金利相場が低い傾向にあること、海外では信用や担保の懸念から金利を高めに設定されることが多いといったことが理由です。

 

国内の金融機関から国内での物件を担保に借りる

国内の金融機関の不動産担保ローンを活用し、国内不動産を担保にする形で融資を受ける方法であり、海外不動産投資で最も一般的な方法です。資産価値が明確で安定している国内不動産を活用することで比較的低金利での借入が可能となります。しかし、すべての金融機関で対応しているわけではなく、投資先のエリアによっては対象外とされていることもあります。

 

国内の金融機関の事業用ローンやフリーローン等を利用する

不動産投資ローンを使わずに事業用ローンやフリーローン等を利用する方法です。担保なしで融資を受けることができますが、事業用ローンやフリーローンでは投資用不動産の購入を対象外とする場合があります。また、融資額は多くても500~1,000万円程度と少額になり、不動産投資ローンよりも金利が高くなる傾向があります。そのため、海外不動産投資へ活用できたとしてもあまり現実的ではありません。

 

国内の金融機関から投資先の海外不動産を担保に借りる

購入する予定の海外不動産を担保にして融資を受けることが可能です。しかし、この方法で融資を行っている金融機関は非常に少なく、融資取り扱い可能と判断される国や地域も限られます。

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