夫(妻)の万が一に備え、多くの人が生命保険に加入したり、預貯金をしたり。そんな自助努力のほか、公的保障として「遺族年金」が遺族の生活を支えてくれます。ただ遺族であれば無条件に支払われるかといえば、そういうわけではなく、なかには「遺族年金ゼロ」というケースも。そこで知る、驚きの真実とは?
すべて知っているつもりでした…月収32万円のサラリーマン夫、突然の交通事故死に傷心の妻、遺族年金の請求で知る「夫の驚愕過去」に号泣 (※写真はイメージです/PIXTA)

遺族年金を請求して知る「遺族年金ゼロ円」という衝撃事実

女性の場合も、亡くなった夫の生命保険で、当面の生活には不安はなし。あとは公的保障となる遺族年金の手続きをきちんと済ませるだけです。

 

遺族年金には、国民年金に由来する「遺族基礎年金」と厚生年金に由来する「遺族厚生年金」の2種類があり、家族構成や収入、年齢などによって支給の有無が決まります。

 

女性の場合、18歳以下の子どもが2人いるので、まずは「遺族基礎年金」が受け取れます。さらに夫が厚生年金に加入するサラリーマンなので、「遺族厚生年金」も受け取れる可能性があります。

 

年金手帳など基礎年金番号を明らかにすることができる書類や、戸籍謄本など必要書類を揃えて、年金事務所で手続きを行います。死亡の原因が第三者行為の場合は、第三者行為事故状況届や交通事故証明または事故が確認できる書類などが必要になるので、事前に問合せてから揃えておくといいでしょう。

 

準備万端で年金事務所にいったという女性。夫を亡くした後は目が回る忙しさでしたが、これでやっと落ち着ける……そう思っていましたが、衝撃的な事実を知ることになります。

 

年金請求からおおぬね60日ほどで「年金証書・年金決定通知書」が日本年金機構から届き、その後、おおむね50日で初回受け取りとなります。ただ女性の場合、遺族年金の請求手続きを行った結果、「受け取れる遺族年金はゼロ円」ということが判明したのです。

 

遺族基礎年金がもらえないケースとして、「子の要件に合致しない」「生計維持が認められない」などがあります。また遺族厚生年金がもらえないケースとしては「生計維持が認められない」のほか、夫が遺族年金を受け取る場合は「年齢要件に該当しない」というケースも。

 

そして遺族基礎年金、遺族厚生年金、どちらにも共通するケースが「保険料納付期間が加入期間の3分の2以上なかった」というパターン。遺族年金は、死亡日の前日において、年金の保険料を納付した期間(免除期間含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。

 

亡くなった夫の場合、13年強、国民年金保険料を払っていれば条件をクリアしたことになりますが、未納期間が7年ほどあればアウトということになります。