近年、就職活動において欠かせない存在となりつつあるインターンシップ。しかし、「とりあえず参加してけば就活も成功する」というわけではありません。そこには、本気で何かに打ち込んだ経験やビジネスに結びつけやすい経験が必要であるといいます。本記事では、実際に長期インターンを経験したトテ ジェニファー麻綾氏の著書『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)より、一部抜粋・再編集して、学生が長期インターンに参加するべき理由について解説します。 ※記事内容は書籍発行時(2023年11月)のものです。
どこにでもいる普通の学生が“キラキラ一流企業”に入社できる?就活するなら本気で「長期インターン」を経験すべき理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

“学生だからこのタスク“という決まりはない

では、実際にインターンではどんな仕事が任されるのだろうか。

 

私がインターンをしているコンサルティング会社を例に挙げると、インターンはプロジェクトにアサイン※1され、正社員からの指針のもとで、戦略/M&Aコンサルティング※2のサポート業務全般、おもに財務分析、簡易Valuation※3、市場リサーチ・個社リサーチ、資料作成を担当する。

 

これは新卒1~3年目のアナリスト※4が担う仕事と同様のタスクだ。過去には名刺を持ち、ブロジェクトご提案の場に参加する機会やクライアントに提言をさせていただく機会もあった。もちろん、入社してすぐに難易度の高いタスクを振られるわけではない。

 

はじめはひんぱんに社員の方からフィードバックをいただきながら、徐々にできることが増えていく。作業的なタスクはほとんどなく、考えて考えて考える、という内容が多い。“学生はできることが限られている”というニュアンスを感じることや、「インターンだからこの仕事をお願いします」と言われるような状況になったことは一度もない。

 

むしろこの状況は真逆で、アウトプットを評価してもらえれば、タスクの幅はどんどん広がっていく。要するに、学生であってもバフォーマンスを認められさえすれば、任せてもらえることはいくらでもある。

 

ほかにも周りを見ていると、WEB系の会社で要件定義から納品後の保守まで一連の業務をリードしている学生や、広告会社の営業のポジションでメーカーから案件を取ってくる学生など、いたるところで学生とは思えないような活躍をしているインターン生がいた。

 

私自身、そういった企業内で一目置かれるようなインターン生を目の当たりにして、「次はもっと難しい案件に挑戦してみたい」、「この資料はなんとしても上司からクリアをもらってクライアントに提示したい」というような刺激を幾度となく受けた。

 

1つだけ注意しなければならないのは、企業によっては学生に雑用ばかり振ってくるというケースがあることだ。ゆえに、企業選びもまたインターンをする上でkeyになってくる。

 

〈参考〉

※1 アサイン:仕事を割り当てる、あてがう

※2 戦略/M&Aコンサルティング:経営課題を解決する手段のひとつとしてM&Aを位置づけた、M&Aを活用した戦略立案を行う会社

※3 簡易Valuation:簡略的に企業価値を算出し評価すること

※4 アナリスト:コンサルティング会社で入社1~3年目の若手が就く役職。新卒や第二新卒をはじめ、コンサルタントとしてのキャリアはアナリストからスタートすることが多い。ただし、役職の呼称は企業によって異なる場合がある

 

 

トテ ジェニファー麻綾