不動産担保ローンのデメリット3選
不動産担保ローンを利用するメリットを解説しました。次に、不動産担保ローンを利用する場合のデメリットを解説します。
・担保を失うリスクがある
・借り入れまでに時間がかかる
・手数料がかかる
担保を失うリスクがある
不動産担保ローンでは返済を滞納したり、契約条件に違反したりした場合にその不動産は差し押さえられ、競売等で売却されてしまう可能性があります。投資用不動産や自宅を担保にしていた場合、その損失は膨大なものになる可能性があります。
そのため、不動産担保ローンを利用する際には、返済計画を十分に立て、ローン契約条件を遵守することが重要です。
借り入れまでに時間がかかる
不動産担保ローンは高額の借り入れができるため、申請から融資を受けるまでには時間がかかるケースが多いです。融資を受ける際には審査や担保物件の査定など複数の審査があり、特に担保となる不動産の評価や法的手続きは時間を要し、場合によっては数週間かかることもあります。
そのため、急な出費に対応する場合には不動産担保ローンは不利となるため、時間的な余裕を持って計画を立てて借り入れすることが重要です。
手数料がかかる
不動産担保ローンは事務手数料や不動産調査費用、登記費用などの費用がかかり、融資金額の1~3%の追加費用がかかることが一般的です。例えば借入金額が1,000万円の場合では10~30万円程度かかります。
そのため、低金利の借り入れができたとしても結果的に支払総額が大きくなってしまうこともあります。
不動産担保ローンを活用するケース
不動産担保ローンを活用するケースは以下のような場合です。
・無担保での融資が受けられない場合
・毎月の返済負担が重いが、無担保での長期ローンへの借り換えができない場合
・住宅ローンが組めない場合
・不動産を購入したいが、年収制限や借入枠などで銀行の条件に合わない場合
・不動産売却までのつなぎ資金が欲しい場合
不動産担保ローンは不動産購入時以外でも利用が可能です。そのため、不動産購入以外のタイミングで資金が必要な場合や各種ローンを借りられない場合に検討することが一般的です。
なお、すでにローンなどの担保として抵当権が設定されている不動産については「一番抵当権」が設定されているため、新たに担保設定して不動産担保ローンの借り入れはできないことが多い点には注意が必要です。
不動産担保ローンの審査基準、利用の流れや書類
ここまで不動産担保ローンのメリットやデメリットを解説しました。ここでは、実際に不動産担保ローンを利用する際の審査基準や流れを解説します。
不動産担保ローンの審査基準
不動産担保ローンの審査は物件の属性と個人の属性から総合的に判断されます。
まずは担保となる不動産の市場価値や将来的な収益性が慎重に査定されます。次に個人の属性を審査され、収入や過去の返済状況、申込人の年齢、ほかの金融機関からの借入状況などから信用力が査定されます。
不動産担保ローンの利用の流れ
不動産担保ローンを利用するときの基本的な流れは、以下の通りです。
1.【申込者→金融機関】相談・仮申込を実施
2.【金融機関】仮審査を実施
3.【金融機関→申込者】仮審査通過の連絡
4.【申込者→金融機関】本申込(書類等の提出)
5.【金融機関】本審査を実施
6.【金融機関→申込者】審査結果・条件の連絡
7.【申込者→金融機関】契約手続き
8.【金融機関】融資の実行
まずは、金融機関のwebサイトなどから仮審査を申し込みます。仮審査は数日間かかる場合が多く、仮審査に通過したら申込書に必要書類を添えて本申込を行います。
本審査では勤務状況の確認、担保物件の現地調査等が行われるため数週間は見ておきましょう。本審査通過後は契約手続きを行い、融資実行という流れです。
不動産担保ローンの申込に必要な書類
前述の仮審査時点ではwebサイト上での簡易な方法での申し込みによるものが多く、本申込では各種書類が必要となります。必要な種類は主に以下の通りです。
・申込書・同意書
・本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、在留カード等)
・住民票の写し
・印鑑証明書
・収入・納税状況を示す書類
・金融資産を確認できるもの(預貯金、有価証券、生命保険等)
・担保にする不動産の関係書類
・ほかの借り入れの状況が分かる書類等
必要書類は金融機関等によって異なり、追加で書類提出を依頼される場合もあります。