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そもそも「暗号資産」とは?
暗号資産は、インターネット上で取引されるデジタル通貨の一種。以前は「仮想通貨」という呼称が広く知られていましたが、日本円などの通貨と混同されかねないことから、2018年12月に、金融庁は仮想通貨の呼称を暗号資産に改めると発表し、2020年5月1日に正式に施行されました。
暗号資産は2017年後半に「仮想通貨バブル」が起き、結果として、一般的な関心も急激に高まりました。
日本銀行では暗号資産を以下の通り説明しています。
「暗号資産(仮想通貨)」とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。
(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
(2)電子的に記録され、移転できる
(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない
暗号資産には、大きく2つの特徴があります。
「デジタル通貨」である
デジタル通貨とは、デジタルデータに変換された通貨のこと。つまり実体のある通貨ではないということです。決済などにおいては、インターネットを通じて電子データとして処理されます。
「電子マネーのようなもの?」と考える人もいるかもしれませんが、暗号資産は銘柄ごとに価格が変動。世界中で使えたり、送金ができたり、中央銀行がなかったりと、大きく違います。
ネット上で「分散管理」されている
円や米ドルなど、世界で流通する通貨は、発行元の政府や中央銀行が発行。国家の裏付けがある貨幣として、世界中に流通しています。
暗号資産は国や中央銀行が発行したものではありません。それでも世界中から信頼を得ているのは、インターネット上で分散管理されているという、暗号資産ならではの仕組みにあります。
暗号資産は誰がどれほど持っているかという情報が、ネットワークに接続された不特定多数の端末に分散して記録され共有。仮に誰かが改ざんしても、他の端末に記録されている情報と照合すれば、データの改ざんがすぐに分かります。暗号資産で不正に改ざんするには、すべてのデータを書き換えなければならず、あまりに非現実的。よって高い信頼性を実現しているのです。
ちなみにインターネット上での分散管理を可能にしているのが「ブロックチェーン技術」。日本語では「分散型台帳技術」といわれているもので、簡単にいえば、情報を記録・管理するための技術のことです。暗号資産の取引情報を暗号化して、いくつかにまとめてブロック化。それを鎖のようにつなげていきます。ブロックチェーンは、情報の改ざんに対して耐久性が非常に高く、暗号資産にはなくてはならない技術です(ブロックチェーン技術を利用していない暗号資産もあります)。
暗号資産の「メリット」
暗号資産のメリットとしてまず挙げられるのが「手数料の安さ」。たとえば法定通貨の場合、海外送金するのに一般の銀行で数千円の手数料を必要としますが…