東京の普通のサラリーマンが「都外の平均的なマンション」を買ったら…
不動産経済研究所によると、今年4月の「首都圏の新築分譲マンション1戸あたりの平均価格」は7,662万円と前年同月比1.1%(85万円)の下落。一方で平米単価は124.2万円と7.2%(8.3万円)の上昇でした。
地域別にみていくと、「東京23区」は平均価格9,674万円(前年同月比17.8%減)、「東京都下」は5,814万円(4.5%増)、「神奈川県」は6,09万円85.2%増)、「埼玉県」5,088万円(8.8%減)、「千葉県」4,929万円(7.3%増)。地域によって事情はさまざまですが、すべての地域でいえることは、不動産価格の高騰や高止まりによって、以前よりもマイホーム購入のハードルが高くなっているということかもしれません。
厚生労働省の資料によると、東京都の大企業(従業員1,000人以上)に勤務するサラリーマン(平均年齢43.1歳)の平均給与は月収で41.6万円、年収で686万円。そんな「東京の大企業で働く40歳の平均的なサラリーマン」が、「都下に平均的な価格の新築マンション」を買ったなら、どのような返済プランになるか考えてみましょう。
◆物件価格:5,800万円
◆借入:4,600万円
◆頭金:1,200万円(物件価格の2割程度)
◆金利:0.5万円
◆返済期間:30年
細かな手数料等は考慮していませんが、1ヵ月あたりの返済額は「13万7,627円」。年収に対する年間返済額の割合である年収負担率は上限35%といわれるなか、平均は20%前後。それを超えるローン返済は大きな負担に感じるようになります。
東京の大企業勤務のサラリーマンの場合、40歳時点での返済負担率は23%。その後、年齢と共に年収が上がっていくと年収負担率も、40代後半で21%、50代前半で20%、50代後半で17%と下がっていきます。ただし、60歳定年を境に年収は38%ほど減少。それに伴い返済負担率は27%に上昇。定年以降のローン返済はかなり厳しいと心得ておく必要があります(図表)。