親元を離れて暮らす大学生。その多くが親から少なからず仕送りをもらい、生活をしています。恵まれた環境ではありますが、それでも生活していくのに大変なケースも。みていきましょう。
助けて…月収50万円「48歳サラリーマンの父」が目の当たりにした「東京の大学に通う長男」の緊急事態 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本の大学生…20万人弱が生活苦の現状

この春から、親元を離れて大学生に。親としては、いつまでも子どもは子ども。「ひとり暮らしなんて、ちゃんとできるのか」と、不安でたまらなかったことでしょう。

 

あれから2ヵ月あまり。心配は尽きませんが、親も子も、新しい生活に慣れてきたころではないでしょうか。

 

全国大学生活協同組合連合会『第59回学生生活実態調査』によると、2023年、下宿生の「仕送り」は平均7万0,120円。「奨学金」は平均1万9,660円、「アルバイト」は平均3万6,110円。収入の合計は月12万9,240円でした。

 

多くの親は学費は出すとして、仕送りまでとなると、結構、家計の負担となります。仕送り額の分布をみていくと、2023年、「0円」が7.5%、「(0円を除く)5万円未満」が26.4%、「5~10万円」が31.4%、「10万円以上」が26.4%です。

 

経年でみていくと、「(0円を除く)5万円未満」が2010年14.9%から11.5ポイント上昇。一方で「5~10万円」は4.8ポイント、「10万円以上」が5.3ポイント、それぞれ下落しています。親の経済状況を反映してでしょうか、仕送り額を抑える家庭が多くなっているようです。

 

また返済の必要のない「給付型の奨学金」の利用拡大も、仕送り額の減少の要因のひとつ。奨学金を受給する人は、28.9%。この5年でほぼ変わらず、全体の3割を占めています。奨学金の内容をみていくと、「貸与型のみ受給」は17.1%で、5年前と比べて6.0ポイントダウン。「給付型のみ受給」は6.9ポイントで、3.5ポイントアップとなっています。

 

アルバイトはどうでしょう。「アルバイトをしている」と回答した大学生は74.5%。2018年3万1,670円→2019年3万3,600円→2020年2万6,360円→2021年2万9,130円→2022年3万2,340円と推移してきました。さすがにコロナ禍でガクンと落ち込みましたが、その影響はまったくなくなったようです。

 

そんな大学生(下宿生)の暮らし向きは、「楽な方」が60.2%(全体では63.7%)。一方で「苦しい方」が7.3%(全体では7.2%)。大学生は全国300万人弱なので、20万人弱が生活苦といった状況であると推測されます。