高齢者の就業率は右肩上がり。働く理由は、「働くことは健康にいい」「時間を有効に使いたい」など前向きな意見がある一方で、「働かないと生きていけない」という切実なものも。その場合、働けなくなると一気に生活は行き詰まり、窮地に陥ることになります。そこに救いの手となる1通の封筒が……みていきましょう。
腰を痛めて働けず、生活費は「年金月7万円」だけ…困窮の70歳独身男性、ある日届いた年金機構からの「緑色の封筒」に涙したワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

老齢基礎年金を満額受け取る、生活苦の70歳男性…受け取れる「給付金額」

――年金生活者を支援する給付金を受け取るための大切なお知らせです

 

と書かれた封筒のなかに入っていたのは「年金生活者支援給付金請求書」。年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げ分を活用した給付金で、所得が一定基準以下の年金生活者に対する生活支援を図る目的で、年金に上乗せして支給されるものです。

 

支給条件は以下の3つをすべて満たしていること。

 

1.65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。

2.同一世帯の全員が市町村民税非課税である。

3.前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8,900円以下

※収入に障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない

※778,900円を超え878,900円以下の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」を支給

 

給付額は「①5,310円×保険料納付済期間÷被保険者月数480ヵ月」「②1万1,333円×保険料免除期間÷被保険者月数480ヵ月」の合計となります。

 

男性の場合、年金収入が年81.6万円なので「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象となり、ざっと計算すると、月3,339円が支給されると考えられます。

 

月3,000円強。たったこれだけでは焼け石に水とでも思うでしょうが、生活が行き詰っている男性にとっては「ありがたい。これで暖房がつけられる……」と泣いて喜ぶお金なのです。

 

働くことが難しい70歳男性のその後。役所に相談したところ「生活保護」を受けられるだろうということで申請。生活の立て直しを図っているといいます。

 

[参考資料]

総務省『労働力調査』

株式会社パーソル総合研究所『働く1万人の就業・成長定点調査』

厚生労働省『「年金生活者支援給付金制度」について』