安定した企業のサラリーマンや公務員は、老後資金対策として不動産投資の勧誘を受けることがよくあります。節税効果もあり、家賃収入を生み出す不動産投資ですが、セールストークのメリットばかりに目が眩むと痛い目に遭うことも……。本記事では宮崎さん(仮名)の事例とともに、中高年世代が始める不動産投資の注意点について、ニックFP事務所のCFP山田信彦氏が解説します。
年収800万円の中間層だが…50歳会社員〈ねんきん定期便記載の見込額〉に取り乱した結果の大惨事。「オレもこっちの立場になったか」と複雑心境【CFPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

家賃値下げに同意後、販売業者から告げられたこと

FPの助言もあって宮崎さんは今回家賃値下げには同意し、しばらく不動産市況の上昇を待ち販売業者に売り戻すことができないかを模索することにしました。

 

一方、販売業者から宮崎さんに連絡が来たのは家賃値下げに同意した直後でした。

 

「今回はご理解いただきましてありがとうございます。ところで宮崎さんのお知り合いに不動産投資にご興味がある方はいらっしゃいませんか? もし紹介いただけて成約しましたら、ご紹介料として30万円お支払いしますので、それを今回の家賃減額の足しに受け取っていただければと思うのですが」

 

宮崎さんは2年前に自分にこの業者を紹介した取引先知人の顔を思い出して「オレもこっちの立場になったか」と苦笑せざるを得ませんでした。
 

 

山田 信彦

ニックFP事務所

代表