サラリーマンであれば「転勤も仕方なし」という人も多いでしょう。しかし「家を買ったばかりなのに……」という最悪のタイミングで転勤が決まったら、どうしますか? 単身赴任ははイヤ。でも手当てが出るとはいえ、住宅ローンを抱える身としては少しの負担増も避けたい。さて、解決策は? みていきましょう。
夫「転勤が決まったんだ」妻「えっ⁉」…月収43万円42歳サラリーマン〈夢のマイホーム実現〉の1年後にまさかの辞令「この家、どうする?」

家買ったばかりなのに、転勤⁉ 憤りのなかにふと「この家、賃貸に出すのはあり?」

国土交通省『令和4年住宅市場動向調査』によると、注文住宅の平均ローン返済期間は、住宅が32.9年、土地が34.2年。また分譲戸建てでは34.1年、分譲マンションは32.0年。このように住宅ローン返済は30年程度かかるのが一般的。長い返済生活、常に順風満帆というわけにはいきません。

 

前出の投稿者、マイホーム(新築マンション)を実現した後日談。実はとんでもないことに巻き込まれ、マイホームに住んでいないといいます。

 

マンション購入後1年ほど経ったころ、男性に衝撃的な辞令が……。

 

――きみに九州支社への異動の話があるんだが

 

上司もマイホームを購入して間もない部下に対して、転勤の話をするのは相当気まずかったようだったと男性。そもそも、マイホームを購入したばかりの従業員に辞令を出す会社も会社……かなりの憤りを感じたといいます。

 

――転勤が決まったんだ

――えっ⁉ どういうこと?

 

妻も初めは夫が何を言っているのか、理解できていない様子だったといいます。「単身赴任という選択肢もあるけど」と男性がいうと、「それはイヤ。ついていく」と妻。ただ困ったのは、月々12万円の返済、30年ローンで購入したマイホーム。2万円ほどで社宅が借りられるとはいえ、負担増は痛い……。

 

「この家、貸せないのかしら?」と妻。結論からいうと、住宅ローン返済中に賃貸に出すことは基本的にはできません。住宅ローンは借入を行った人とその家族が住む際に利用できるローン。賃貸に出した場合は契約違反となり、最悪、契約解除、残債の一括返済を求められることもあります。

 

解決策としては、不動産投資ローン、いわゆる事業用ローンへの借り換え。このローンであれば、賃貸に出してもなんら問題はありません。ただし、住宅ローンに比べて金利は高く、また住宅ローン控除も利用できません。さらに手数料がかかることも難点です。

 

実際に転勤などで、マイホームに住めなくなったら、まずは借り入れしている銀行に相談するのが第一歩。場合によっては、住宅ローンを利用しながら賃貸に出すことが認められることもあります。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

国土交通省『令和4年住宅市場動向調査』