年をとるほど人との約束がおっくうになってくるものです。とくにシニアになれば「なんだか面倒になってしまった」といった気持ちの問題だけでなく、体がついていかなくなるのが悩みもの。また、「今度ゆっくり会おうね」といったものの、いっこうに実行されないというのも、よくあることです。今回は、シニア世代の名医・保坂隆氏の著書『お金をかけず気軽にできる 「ひとり老後」が楽しい77の習慣』(KADOKAWA)から、老後の友人付き合いのコツをご紹介します。
足腰の痛み、体調不良では楽しいおでかけも憂鬱…シニアの友人付き合いは「ドタキャンOK」で気楽に【精神科の名医が助言】
「ドタキャンOK」を認めてもらう
年長者はよく天気予報を見るようです。年をとると、わずかな気候の変化で風邪をひいたり足腰が痛んだりするもので、気持ちのうえではまだまだ若いつもりでも、体のほうがついていかなくなります。そこで、毎日の天気が気になるのです。
高熱が出たり、歩くのがつらいほど足腰が痛ければ、外出を控えても、微熱くらいだと、無理をして出かけてしまうのではありませんか? 仲間と約束をしていれば、「せっかく会うのを楽しみにしてくれているのに、キャンセルしたら申し訳ない」と思うからでしょう。
でも、無理をして出かけると、いつものようにはいきません。口数が少なくなったり、歩調がスローになったりします。こちらが口にしなくても、仲間ならきっとそれを感じ取って、「調子が悪いの?」と気遣ってくれるかもしれません。
それよりも前に、自分から「ちょっと風邪ひいちゃったみたいで、体がだるいの」「実は、立ったり座ったりすると膝が痛い」などと話すことになるかもしれません。
それを聞けば、仲間も気をつかって、「少しカフェで休もうか」「買い物はそこそこに切り上げよう」と予定を変更するなど、お互いに心から楽しめないでしょう。
老後の友だちは、できるだけ「ドタキャンOK」にしておくといいでしょう。「ドタキャンなんてわがまま」「相手に迷惑をかける」と思うかもしれませんが、お互いさまです。
ほかの誰かがドタキャンしても、「大丈夫よ」と受け入れる、そんな関係でいられたら、気持ちが楽になるはずです。もちろん、ドタキャンするときは必ず連絡を入れて、「ごめんなさい」の気持ちを伝えましょう。