若い頃と比べてできなくなることが増え、ネガティブになる…

「老い」という言葉を聞けば、ほとんどの人がマイナスの印象を持つと思います。シニア世代ともなれば、日々の生活の中で老いを実感しますから、不安やあせりで、やりきれない気持ちになるかもしれません。

たしかに、年齢を重ねれば体力は落ちますし、物忘れが多くなったり、何かをするのも億おっ劫くうになったりしますね。新しい機器の操作なんて、覚えるのも面倒ですし、慣れるのにも時間がかかります。

もしかしたら、若い頃できていたことができなくなるのが、老いをネガティブにとらえる一番大きな理由かもしれません。それなら、若い頃とくらべてどのくらい衰えているものなのか、見てみましょう。

まず筋肉量ですが、加齢によって70歳の人は30歳の人より3割減ります。「えっ、そんなに減っているの!? それじゃ動くのも大変!」と、びっくりしたかもしれませんが、これは、日常生活には何の支障もない減り方なので、ご安心ください。

次に、記憶力など頭の働きに目を向けてみましょう。最近のシニア世代は、「若い頃より物覚えが悪くなった」「新しいものについていけなくなった」と言いながらも、多くの人がスマホを持ち、メールを打ったり、写真や動画を撮ったり、支払いをしたりと、使いこなしています。

十数年前に、70代、80代の人がスマホでメールを打つなんて考えられましたか? しかも、ごく普通のシニア女性が「スマホって便利よね。孫とも顔を見ながら話せるし」などと話しているのを聞くと、どこに「老い」が来ているのかと首をかしげてしまいます。