他人は他人、自分は自分…「幸せくらべ」で疲れない

「隣の芝生は青く見える」とはよく言ったもので、誰にでも羨望や嫉妬心があります。若い頃は、そうした気持ちが「自分を高めよう」「もっと頑張ろう」とヤル気になっていたかもしれません。

ところが、年を重ねるとともに、成功した人を見れば「あの人はいいなぁ。きっと運がいいんだろうなぁ」と思ったり、容姿端麗の人がいれば「おそらく中身はないのに、見た目だけで生きてきたんだろう」などと、やっかんでしまったりすることも。

しかし、人生を締めくくる時期を迎えたら、他人とくらべることにはまったく意味がないと悟ってください。逆に「他人の不幸は蜜の味」という考えからも、距離を置きたいものです。

スリランカの仏教家・アルボムッレ・スマナサーラはこう話しています。「人の幸せを自分とくらべる。自分の不幸を人とくらべる。過去の幸せと今をくらべる。将来の幸せと今をくらべる。理想の幸せと現実をくらべる……すると不幸な気持ちになってしまうことが多いのである」

「他人は他人、自分は自分」です。あなたも自分なりに精いっぱい、頑張って、今日まで生きてきたのです。そんな自分を、自分なりに受け入れ、認めていれば、他人の成功や幸せを気持ちよく認められるはずで、「自分はみじめだ、不幸だ」など考えることはないでしょう。