旅行や趣味をあきらめないセカンドライフを楽しむための資産形成を始めよう
FPに話を聞き、さまざまな改善点が見えてきた加藤さん。ご相談のきっかけとなった住居費については、広さは狭くなっても通勤の便の良いところへという希望もあり、1人暮らしになったら賃料が低いところへの住み替えも視野に入れることになりました。
そして、60歳以降金融資産の積み増しができないので、55歳~59歳の5年間で預金の一部をNISAで積み立てし、75歳頃までは基本切り崩さず運用。65歳~74歳で年金(公的と民間)と足りない部分を貯金から切り崩しを開始し、75歳以降は投資から切り崩しを開始、預金と年金の三つ巴で生活の試算をしました。
また、NISAは年齢やリスク許容度を考慮しつつ、インフレ対策として株式も組み込み、守るだけでなく増やすこともできる配分に変更。預貯金は半分以上手元にしっかり確保し退職金も投資に回さないことにしました。これまで頑張ってきた加藤さんが旅行や趣味をあきらめない、老後もいままで同様楽しめるライフプランです。
加藤さんも「いま行動できてよかった。お金が無いとなった時では遅かったかも」と老後の安心感を持たれたようでし、頑張って働いてきたのですから自由で楽しいセカンドライフを送っていただきたいと切に思います。
人生100年時代、50代での投資はもう遅いということはありません。年金と金融資産だけで生きていけるか心配な方は、一度現在のご自身の資産や生活の棚卸をお勧めします。老後破産にならないよう行動を起こせば、いまなら間に合うかもしれません。
参照
※1:内閣府「令和5年版高齢社会白書」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/zenbun/05pdf_index.html
令和4年度高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状
第1章 高齢化の状況>第1節高齢化の状況>1高齢化の現状と将来像
※2:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html
(4)企業規模別にみた賃金>第4表企業規模、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び企業規模間賃金格差
※3:総務省統計局「2020年基準消費者物価指数全国2024年(令和6年)2月分(2024年3月22日公表)」
村井 美則
ファイナンシャル・プランナー