一生、働くしかねぇよ…月収19万円・69歳のごみ収集作業員「体力的にキツイ、歳も歳だし」と愚痴ってもどうしようもない「安すぎる年金額」

70歳を前にして「一生働くこと」を覚悟…その理由は?

昨今は、働く高齢者が増えています。内閣府『令和5年版高齢社会白書』によると、「65~69歳」の就業率は52.0%、「70~74歳」が33.9%、「75歳以上」が11.0%。男性の年齢でも働いていることは珍しくはありません。ただ、多くが現役引退を意識するころ。そのようななか「一生、働くしか」と口にするのは低年金だから。

 

厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金の老齢年金受給者の平均年金月額は5万6,428円。また厚生年金の老齢年金受給者の平均年金額は、併給の老齢基礎年金を含めて14万4,982円。また65歳以上の受給権者*の平均年金月額は、男性が16万7,388円、女性が10万9,165円です。それに対して「月3万円もないね」と男性。

 

――いや、もう少し真面目に(年金保険料を)払っておけばよかったね(笑)

 

月3万円の年金に満たない高齢者は、厚生年金受給者に限ると0.8%。割合としてはかなり少ないですが、厚生年金保険(第1号)の受給権者は3,700万人ほどといわれているので、数にしたら30万人近くになるということ。結構な数です。

 

内閣府『令和3年版高齢社会白書』によると、高齢者が働く理由のトップは「収入がほしいから」でその割合は51.0%と半数超え。男性のように「低年金だから当然働くしかない」というケースはもちろんのこと、年金額が実質目減りし、将来的にさらなる減額が既定路線のなか、「生きていくために働くしかない」という高齢者は、ますます増えていくことは確実です。

 

――健康なうちは働いたほうがいいよ、家にいても暇だしさぁ

 

明るく言い放つ男性の姿が、せめてもの救いでしょうか。

 

[参考資料]

厚生労働省『jobtag)』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

内閣府『令和5年版高齢社会白書』『令和3年版高齢社会白書』

厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』