老後資金への不安で、夫がフリーランスになるのに大反対の妻

石田努力さん(仮名・59歳)は、もうすぐ定年(60歳)を迎えるITエンジニアです。25歳で就職し、35年間の会社勤務を経て、60歳を迎えようとしています。勤務先の会社は、定年後も65歳まで再雇用で勤務可能ですが、年収は現在の800万円から400万円と大幅に下がってしまいます。

定年を迎えると年収が半減することから、フリーランスとして独立したいと考えている石田さんですが、妻(専業主婦・59歳)が大反対です。その理由は老後資金への不安です。フリーランスになると年収は増えるかもしれませんが、不安定さは否めません。それならば、再雇用で細々と会社員を続けたほうががマシなのではないかというのが、妻の意見です。

そこで、石田さんは、フリーランスになっても安心して暮らしていける方法はないか、FPの永瀬財也さん(仮名)に相談することにしました。

「高齢任意加入」と「iDeCo」で60歳からでも年金を増やせる

FPの永瀬さんは、石田さんに「年金の高齢任意加入」や「iDeCo」を組み合わせることで、老後資金に余裕を持たせることができるとアドバイスしました。いったいどんな方法なのでしょうか。

高齢任意加入とは?

石田さんは、国民年金は60歳まで払い、65歳から受け取ると決まっていると思っていました。しかし、40年の納付がない場合、65歳未満で任意加入(高齢任意加入)すれば、年金保険料を払い続けて満額にできることを知りました。

自分の年金記録を調べたところ、働き始めるまでの5年間は保険料未納で、60歳時点で35年間の保険料支払いになることが分かりました。つまり、64歳までの5年間保険料を払い続けることで、国民年金が40年間の満額払い込みとなり、年金額を増やすことが可能だとわかったのです。

iDeCoとは?

iDeCoは公的年金の被保険者向けの非課税投資制度で、国民年金の高齢任意加入者は65歳まで掛金を積み増し、非課税で資産運用が可能です。企業型DCを利用する会社員は月2万円までしか掛けられませんが、フリーランスなら月6.8万円まで掛けられます。

また、掛金は全額所得控除対象で、確定申告すれば所得税が全額戻ります。iDeCoで積み上げた掛金は60歳から75歳までの間に年金形式で受け取り始めれば、最長20年間、払い出しながら非課税で資産運用が続けられます。

今からでも、最長で35年間非課税で長期運用できるのです。