「太ってきた」「健康診断の結果が悪かった」など、さまざまな理由から「お酒を飲む機会を減らさなければ」と思っている人も多いかもしれません。しかし、『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』(KADOKAWA)著者で医師の尾形哲氏は、「断酒」はキケンであるといいます。その理由と“健康的なお酒との付き合い方”について、詳しくみていきましょう。
もうお酒は飲みません→いますぐ考えなおして…医師が「断酒は身体に悪い」と言い切るワケ
目覚めがいい、美肌になれる…「減酒」がもたらす数多のメリット
減酒生活はつらいだけではありません。肝臓の数値がよくなることはもちろん、減量効果も期待できます。また、減酒をしている人の多くが証言するのが、目覚めのよさです。飲酒で睡眠の質が下がり、目覚めが悪くなることがわかっています。
そのほか、アルコール代謝時に発生する、細胞を老化させる活性酸素を減らせるため、アンチエイジング効果も発揮。お肌の新陳代謝もよくなるので、美肌効果も期待できます。お酒が減れば、飲酒代も削減できますね。
減酒は“ハームリダクション”…アルコール依存症の治療現場でも採用
「減酒」はアルコール依存症の治療現場でも採用されています。ひと昔前までは「断酒」だけが治療の目的にされてきましたが、ひとまずお酒を減らすことで飲酒による害(=ハーム)を減らす(=リダクション)というアプローチも重要だと考えられるようになっています。
生活習慣病のリスクを減らしつつ、お酒への依存度を下げる有効な方法です。
尾形 哲
医師
一般社団法人日本NASH研究所 代表理事