「太ってきた」「健康診断の結果が悪かった」など、さまざまな理由から「お酒を飲む機会を減らさなければ」と思っている人も多いかもしれません。しかし、『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』(KADOKAWA)著者で医師の尾形哲氏は、「断酒」はキケンであるといいます。その理由と“健康的なお酒との付き合い方”について、詳しくみていきましょう。
もうお酒は飲みません→いますぐ考えなおして…医師が「断酒は身体に悪い」と言い切るワケ
ダイエットと同様、お酒も「急に断酒」はリバウンドのもと
いきなり断酒ではなく、まず「減酒生活」から始めて
脂肪肝、肝臓の数値が悪い、肥満、高血糖、飲みすぎの自覚があるなど、さまざまな理由でお酒を控えようと思い立ったら、まずは「なぜ自分はお酒を控えたいのか」を、メモでよいので必ず書き残してください。明確な目標があることが、継続のためにとても重要だからです。
その上で、どのように実践するかですが、お酒好きな人が「今日から酒を断つ!」と言って、実際にやめられるのは、これまでダイエットに一度も失敗したことがない人だけでしょう。
むしろ、いきなりやめるのは危険です。ある日を境にお酒を1滴も飲まないと決めると、我慢の連続でストレスが積み重なります。それが何かのきっかけでひと口でもお酒を口にすれば、「もういいや!」と多量の飲酒につながりかねません。
何ごとも白か黒かの二者択一ではうまくいかないものです。グレーゾーンを設けながら進みたい方向に近づけていくのが、長続きの秘訣です。
今日から行うのは、飲酒量を減らす「減酒生活」です。1日に純アルコール量で60g以上飲んでいる人は飲みすぎなので、純アルコール20g分のお酒を減らすことが第一歩。ビールジョッキ1杯か日本酒1合分に相当します。
それができたらもう少し減らし、少しずつ飲酒量を減らしながら体のよい変化を感じましょう。同時に、週1回の休肝日を設けることもスタートしましょう。