取引口座にもよりますが、FXではあらゆる通貨ペアを取引することが可能です。メキシコペソや香港ドルといったマイナーな通貨でもトレードすることができるため、初心者トレーダーのなかには興味を持つ人も多いでしょう。今回は、トレードする通貨ペアを増やすメリットとデメリットについて、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説します。
FXで取引する「通貨ペア」を増やすメリットと「意外な落とし穴」【月利30%トレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

取引する通貨ペアを増やしすぎた初心者トレーダーの末路

FXでは、さまざまな通貨ペアが存在し、証券会社によっては30種類を超える通貨ペアをトレードすることができます。FXは、ドルや円といった主要な通貨から、メキシコペソや香港ドルなど、マイナーな通貨でトレードすることが可能です。目新しさから、さまざまな通貨をトレードしてしまう初心者トレーダーも少なくありません。しかし、トレードをする通貨ペアを増やすメリットとデメリットを意識しなければ、稼ぐトレーダーになることは難しいでしょう。

 

早く稼ぎたいFX初心者は、周囲に溢れる「最短で稼げる方法」をまとめた情報を鵜呑みにする傾向があります。また、通貨ペアを増やすことが機会損失を減らし、最大限に利益の効率化を図ることができると判断する傾向にあります。

 

たしかに、取引通貨を増やせば、その分トレードチャンスが増えますが、通貨による特性や流動性を考えなければ、そのチャンスを活かすことができません。さらに、通貨によっては頻繁に乱高下することもあるため、取引する通貨ペアを増やすことが、かえって自分の資産を減らすきっかけとなってしまうことがあります。

 

取引する通貨ペアを増やすメリット

取引する通貨ペアを増やす最大のメリットは、「経済の動向をより俯瞰的な視点で捉えることができること」です。

 

世界の経済は、さまざまな要素が複雑に絡み合って動いています。毎日、世界各国の政策金利の状況や景気動向によって通貨の価値が変動しています。どの国の通貨が買われていて、どの国の通貨が売られているのかを把握することは世界情勢を理解することにつながります。

 

プロトレーダーは、ニュースなどで世界中の経済情勢をチェックしながら、さまざまな通貨ペアのチャートを見ることによって、為替市場のトレンドを理解しようとしています。FXにおいて通貨強弱のトレンドを理解することは、自分のトレードの勝率を高めることに直結します。通貨のトレンドを理解し、世界中の経済情勢を意識することで、同じチャートを見ていたとしても得られる情報の質が大きく変わります。取引する通貨ペアを増やすことは、客観的な立場でチャートを分析できるきっかけになるので、収益が安定しないトレーダーにとって大きなメリットとなる可能性があります。