今回の相談者は、40代会社員のMさん。夫婦の世帯年収が3,000万円を超えるパワーカップルで、夫婦共有名義・ペアローンで高級マンションを購入しましたが、離婚後にそのマンションをどうするかで意見が割れ、長い離婚調停を経て裁判にもつれこんでいます。Mさんはなぜこのような事態に追い込まれたのか、持ち家離婚カウンセラー/夫婦問題カウンセラー・入江寿氏が解説します。
世帯年収3,000万円の40代夫婦、品川区に買った高級マンションを巡って大モメ…離婚調停を長引かせないために「最初にやるべきだったこと」【持ち家離婚カウンセラーが助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

持ち家離婚カウンセラー入江のアドバイス

弁護士は、住宅ローンに関しては専門外です。争いが始まる前に、筆者のような専門家に相談してくださっていたら、こんなに長く離婚調停→離婚裁判にはならなかったと思います。

 

これはどなたにも言えることなのですが、「離婚=弁護士に依頼」と考える前に、まずは2人で話し合いができていたらとも考えます。なぜならば、弁護士依頼をしてしまうと、紛争性が増してしまうからです。相手の気持ちを受け止める、という思いは少なくなり、勝ち負けに焦点がいってしまいます。

 

そして、依頼する弁護士によっても個性が違いますし、進め方も異なります。そのため、筆者のところにくる相談者には、このようにお伝えしています。

 

「最初に、解決すべき問題のすり合わせを十分にしてから弁護士を選んでください。1人だけに相談するのではなく、2~3人の弁護士に相談をしてみて、自分との相性が合う人を選ぶのがおすすめです。傾聴が得意な人、クライアントに寄り添うのが得意な人、精神的な部分にまで寄り添ってくれる人、相手との交渉強い人、裁判に強い人など、弁護士といってもさまざまですから」

 

また、Mさんと同様に共有名義、ペアローンを組んだ家を自分が引き取って住みたいという場合には、早めに住宅ローンの事前審査をして、1本化できるかどうかを確認しましょう。

 

この際に、ご自身で銀行探しなどをしないことも大事なポイントです。一度審査でNGが出てしまうと、筆者のような専門家が入って後から交渉しても覆す事ができないからです。


Mさんにおいては、楽しいはずの結婚、エンジョイするはずだった人生が、3年以上も離婚調停、離婚裁判にかかってしまっているこの状況から、早く脱してほしいと願うばかりです。

 

入江 寿

持ち家離婚カウンセラー/夫婦問題カウンセラー