ある日、家に帰ると妻はおらず、LINEも既読スルー、話し合いの余地はなかった
持ち家離婚カウンセラー・夫婦問題カウンセラーとして数多くの相談を受けている筆者のもとに、会社員のMさん(男性・43歳)からこんな問い合わせのメールがきました。
「かなり複雑な案件なのですが、離婚調停が長期化しています。一番問題になっているのは、妻と共有名義、ペアローンで購入したのマンションのことです」
話によると、Mさんと妻のR子さんが結婚したのは約5年前。仕事関係で知り合った二人は、仕事の業種が近いということもあり、出会った当初からとても気が合いました。
何度か食事に行くと、仕事だけでなく趣味のゴルフの話も合い、自然な流れで結婚することになりました。R子さんの仕事に熱心で、自分の気持ちをストレートに伝えるところにとても惹かれていたそうです。
結婚して、最初はとてもスムーズにいっていました。休みの日は一緒にゴルフに行ったり、おいしいお酒や食事を共にしたり、笑いの絶えない理想の家庭でした。
また、MさんもR子さんも高収入で、二人の年収を合わせると3,000万円近くになる、いわゆる「パワーカップル」でした。「楽しく暮らせる家を買おう」と、品川区の高級マンションを共有名義、ペアローンで買うことにしました。
しかし、そんな日々は3年も続きませんでした。2人とも仕事では責任あるポジションにつき、ハードワークの日々。日常生活でもお互いに対するイライラが募り、頻繁に言い争いをするようになっていました。
そんなある日、Mさんが仕事から家に帰ると、R子さんの身の回りの物が忽然となくなっていました。R子さんはMさんに黙って、一人で家を出て行ってしまったのです。
MさんはすぐにLINEをしましたが、R子さんは既読スルーでまったく読んでいる気配はありません。電話ももちろん着信拒否されています。話し合いをする余地はありませんでした。