80代母が入居者トラブルを引き起こす!「お金」で解決か「退去」か
どのようなホームであれば、入れるのか……女性の場合、あまり選択肢は多くなかったといいます。母の年金は月10万円程度。貯蓄を取り崩しても、すぐに入居できるという民間の老人ホームは予算的に無理。特養以外の選択肢はなかったといいます。
――順番待ちがスゴイと聞いていた
と女性。地方であれば、余裕のある特養もあると聞くものの、女性の母が住む地域では入居するまで「半年から1年くらいはかかるかも」と噂を聞いていたといいます。
――しばらく、自宅に帰ることは諦めていた
といいますが、幸い、女性の母が認知症患者であること、女性が本来海外に住んでいることなどが加味され、申請から3ヵ月ほどで入居することができたとか。
これでひと安心、と、数ヵ月ぶりに我が家へ……ただ平穏は続かなかったといいます。母が入居して2ヵ月ほどたったとき、施設から連絡があったといいます。その内容は「母が入居者に暴力をふるい、怪我をさせてしまった」といいもの
――母が暴力を⁉ 本当にすみません。
――先方のご家族はそれほど問題視していないので大丈夫です
――そうですか(ホッ)
――ただ多床室では限界です。個室に移動してください
――それって、追加料金、かかりますよね
――月5万円です
――えっ(そんなにお金をかけられない)。個室への移動は絶対ですか?
――移動できないなら退去になります
現状でも予算的にギリギリの状況。プラス5万円となると、女性が身銭を切るしかなくなりますが、それほどの余裕もない。かといって施設を退所することになったら、もっとマズい……。
老人ホームには退去要件があり、該当すると施設側から退去を求められます。退去要件は大きく「支払いの滞納」「長期入院/介護度の変更」「迷惑行為」の4つ。今回、母の暴力は迷惑行為にあたるもの。ただ個室に移れるなら、という条件を施設側が示したことになります。
認知症患者が周囲に暴力を働いてしまうことは珍しいことではありません。特養といっても認知症に対してどれほど対応できるかはまちまちのようで、女性の母のような対応をするホームも。
認知症患者の対応に優れた施設に転居する手もありますが、海外にいる女性にとってはかなりの負担。とりあえず、施設側の提案を受け入れ、月5万円は女性が負担しているといいます。
[参考資料]