糖質制限ダイエットの流行をきっかけに、普段飲むお酒をビールや日本酒といった「醸造酒」からハイボールなどの「蒸留酒」に切り替えたという人も多いのではないでしょうか。しかし、そんなハイボールには意外な落とし穴があると、『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』(KADOKAWA)著者で医師の尾形哲氏はいいます。詳しくみていきましょう。
「ハイボールは太らない」はウソだった!?…お酒の“糖質ゼロ”に潜む落とし穴【医師の助言】
ビールを敵視するより「ご飯」を気にして
減量目的でビールの糖質量を気にするなら、普段の主食の量を見直してほしいと思います。ご飯を1膳分(150g)食べれば、糖質量はビール350ml缶の5倍になります。量を飲みすぎなければ、ビールをそこまで敵視する必要はないのでは。
私の外来で減量を目指す方たちには、ご飯をお茶碗半分の70gにするように指導しています。ただ、主食を減らすと食物繊維量も減るので、ゼロにするのは厳禁。代わりに、普段の倍量の野菜を食べることも伝えています。
◆ビール系飲料の区別◆
【ビール】
・麦芽100%を原料とし、ホップと水を加えて発酵させたもの
・麦芽50%以上を原料とし、ホップ、水および麦、米や果実などの副原料を加えて発酵させたもの
・副原料の使用量が麦芽の重量の5%以内
代表的な商品……アサヒスーパードライ(アサヒビール)/キリン一番搾り生ビール(キリンビール)/サッポロ生ビール黒ラベル(サッポロビール)/ザ・プレミアム・モルツ(サントリー)など
【発泡酒】
・原料の麦芽の使用割合は50%未満
・麦芽や麦を原料の一部とした発泡性の酒類
・ビール製造に認められていない原料を使用
代表的な商品……アサヒスタイルフリー<生>(アサヒビール)/淡麗グリーンラベル(キリンビール)/サッポロ 北海道生搾り(サッポロビール)/サッポロ 極ZERO(サッポロビール)など
【新ジャンル】
・原料に麦以外の穀物(トウモロコシや大豆など)を醸造してつくられたもの
・発泡酒にスピリッツや焼酎などのアルコール飲料を組み合わせたもの
代表的な商品……クリアアサヒ(アサヒビール)/のどごし<生>(キリンビール)/サッポロ 麦とホップ(サッポロビール)/金麦(サントリー)など
2023年10月以降、ビール系飲料の価格は「統一化」へ
ビールと発泡酒、新ジャンルといわれるアルコール飲料は、上記のように分類されています。酒税にも差があり、350ml当たりでビールは70円、発泡酒は46.99円、新ジャンルは37.8円で、価格にも反映されています(2023年7月時点)。
酒税は2023年10月から段階的に見直され、2026年10月には54.25円で一本化されることが決まっています。
尾形 哲
医師
一般社団法人日本NASH研究所 代表理事