変動金利型ローンの特徴
変動金利型ローンでは、半年に1度の金利の見直しが行われます。そのため、金利上昇局面では、半年ごとに返済額がアップしていってしまいます。
そうなると、返済が滞るような家庭が出てくる恐れもあります。そこで返済が滞らないように、変動金利型の住宅ローンには「5年ルール」や「1.25倍ルール」というものが存在します。
一見、よさそうなルールですが、デメリットも隠れています。こういったルールのメリット・デメリットもしっかり理解して利用するようにしましょう。
5年ルール
どんなに金利が上昇しても、返済額は5年間は変わらない、というルールです。しかし、返済額は5年間変わらないとしても、金利は必ず半年ごとに見直されます。そのため、返済額は変わらないとしても、返済額の内訳、つまり元金と利息の金額が変わってきますので、注意が必要です。
返済額はそのままでも、元金部分が小さくなりますので、いわゆる「借金がなかなか減らない」という状況になります。具体的に見ていきましょう。たとえば、住宅ローンの返済がスタートしたあとの2年後に金利が上昇したケースでご説明します。
(例)借入金額4,000万円 35年ローン ボーナス返済なし
■金利0.5%で借り入れ
毎月の返済額:10万3,834円
(初回の内訳 元金部分:8万7,167円 利息部分:1万6,667円)
■2年後(返済25回目)に金利1.0%に上昇
本来であれば、
(25回目の内訳 元金部分:8万817円 利息部分:3万1,582円)
となるのですが、5年ルールの適用で、
(25回目の内訳 元金部分:7万2,252円 利息部分:3万1,582円)
となります。
説明を聞いたAさん夫婦は絶句しました。Aさん夫婦が恐怖を感じるのも当然です。5年ルールでは、返済額はそのままに抑えられても、内訳の利息部分は金利が上昇した分は元金よりも優先してしっかりと取られていくことになります。つまり、元金の返済が先送りになってしまうのです。
これにより、将来、ふたたび金利が下がったとしても「返済額が減らない」ということもありうるのです。