アメリカの株高や、日本企業の好調な業績などを反映して、日経平均株価はバブル期を超え、好調に推移しています。さらに春闘の平均賃上げは5%超えと、33年ぶりの高水準を記録。いよいよ日本経済は復活へと向かう、そんな声も。みていきましょう。
株価一気にバブル超え!「失われた30年」は終焉か、それとも「失われた40年」へ突き進むのか?

バブル崩壊ととも10年、20年、30年……日本は失い続けた

東京株式市場で日経平均株価がバブル期を更新し、今年の春闘では続々と要求以上の賃上げ回答。「いよいよ失われた30年に終わりを告げる」といわれています。

 

「失われた30年」というのは、バブル崩壊を起点した表現で、バブル崩壊から10年経った2000年初頭には「失われた10年」といわれ、バブル崩壊から20年が経った2010年初頭には「失われた20年」と、節目ごとに使われてきた表現。バブル崩壊から30年、とうとう日本は30年を失ってしまったわけです。

 

その間、日本人の給与は一向に上がることがありませんでした。月収(所定内給与額)の推移をみていくと、バブル景気前夜の1985年は21万3,800円。そこから好景気の波にのり、バブルが崩壊した1991年には26万6,300円。しかし、このときの傷はまだ浅いものだったのかもしれません。バブル期ほどではないにしろ、給与は上がり続け、1999年には30万0,600円と、平均月30万円の大台に達します。

 

しかし2001年には、はじめて給与減を記録。2000年代は前年比マイナスを記録した年がほぼ半分という状況に。傷の浅いうちになんとかできなかったのか……悔やんでも悔やみきれません。

 

【日本人の月収の推移】

1985年…213,800円

1990年…254,700円

1995年…291,300円

2000年…302,200円

2005年…302,000円

2010年…296,200円

2015年…304,000円

2020年…307,700円

2021年…307,400円

2022年…311,800円

2023年…318,300円

出所:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』

 

日本が深手を追っている間、世界は成長を続け、給与もどんどんあがっていきました。

 

1990年、OECD加盟国の中で平均年収(名目ベース・為替レート換算)が最も高かった国は「スイス」。「アイスランド」「ルクセンブルク」と続き、なんと「日本」は第4位でした。それが2022年のランキングでは21位。韓国(20位)にも抜かれ、アジアでNo.1の座も明け渡したのです。