バブル崩壊ととも10年、20年、30年……日本は失い続けた
東京株式市場で日経平均株価がバブル期を更新し、今年の春闘では続々と要求以上の賃上げ回答。「いよいよ失われた30年に終わりを告げる」といわれています。
「失われた30年」というのは、バブル崩壊を起点した表現で、バブル崩壊から10年経った2000年初頭には「失われた10年」といわれ、バブル崩壊から20年が経った2010年初頭には「失われた20年」と、節目ごとに使われてきた表現。バブル崩壊から30年、とうとう日本は30年を失ってしまったわけです。
その間、日本人の給与は一向に上がることがありませんでした。月収(所定内給与額)の推移をみていくと、バブル景気前夜の1985年は21万3,800円。そこから好景気の波にのり、バブルが崩壊した1991年には26万6,300円。しかし、このときの傷はまだ浅いものだったのかもしれません。バブル期ほどではないにしろ、給与は上がり続け、1999年には30万0,600円と、平均月30万円の大台に達します。
しかし2001年には、はじめて給与減を記録。2000年代は前年比マイナスを記録した年がほぼ半分という状況に。傷の浅いうちになんとかできなかったのか……悔やんでも悔やみきれません。
【日本人の月収の推移】
1985年…213,800円
1990年…254,700円
1995年…291,300円
2000年…302,200円
2005年…302,000円
2010年…296,200円
2015年…304,000円
2020年…307,700円
2021年…307,400円
2022年…311,800円
2023年…318,300円
出所:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』
日本が深手を追っている間、世界は成長を続け、給与もどんどんあがっていきました。
1990年、OECD加盟国の中で平均年収(名目ベース・為替レート換算)が最も高かった国は「スイス」。「アイスランド」「ルクセンブルク」と続き、なんと「日本」は第4位でした。それが2022年のランキングでは21位。韓国(20位)にも抜かれ、アジアでNo.1の座も明け渡したのです。