「優遇され過ぎ!」「公平だ!」などと、バッシングを受けることが多い専業主婦。さらに味方であるはずの夫から批判されることもあり、思わず「ふざけるな!」と言ってしまうようなことも。みていきましょう。 
俺が主夫になろうか?月収33万円・30代の専業主婦世帯、妻、夫のひと言に激怒「ふざけるな!」

家事・育児の分担で「うまくいく」理由/「うまくいかない」理由

そんな何かとバッシングされる専業主婦世帯。せめて夫は味方であってほしいものですが、そうとは限らないのが夫婦関係。

 

――いいな、専業主婦は。交代してほしいよ

 

夫婦喧嘩の際に、夫から投げかけられた言葉にブチギレたという、30代の専業主婦。夫は同い年で、子どもは1歳と3歳のふたり。夫の給与はいたって平均的な水準だといいます。30代の平均的な給与であれば、月収で33.5万円、年収で560.0万円ほど。子どもの教育費やマイホームの実現を考えると、下の子がもう少し大きくなったら、正社員として仕事に復帰したいと考えているといいます。

 

ただ子育ても、特に手がかかる時期。ときに家の中はまるで泥棒が入られたような状態になることもあるとか。そんな状態で夕飯の準備をしているところ、夫が帰宅。

 

――圧倒的に家にいる時間は長いのに、この荒れ具合、どうなっているんだよ!

 

仕事で大変なことでもあったのか、いつもよりも短気な夫。帰宅早々、怒り出し、最終的に冒頭の言葉を吐き捨てたといいます。女性も「ふざけるな!」という言葉が口から出かかりましたがぐっと抑えて、とりあえず、夫と子どもにご飯を食べさせて、掃除や洗濯をしたといいます。

 

――ずっと家にいたとしても、家事や育児は大変なんだよ!

――本当に代わって、家事や育児、やれるの⁉ できないでしょ、どうせ

 

煮えくり返るような怒りは、しばらく消えなかったといいます。

 

エン・ジャパン株式会社/「ミドルの転職」が、35歳以上のユーザーを対象に行った『子育て期の家事・育児分担実態調査』によると、未就学・小学生の子どもをもつ家庭における、家事・育児分担割合は「男性3割/女性7割」が最多 で、男女で格差はあるものの、女性に偏る家庭は過去との比較で12ポイント減となったといいます。家事・育児に携わる夫は、確実に増えています。

 

一方で家事・育児の分担割合について、半数が「ちょうど良い」と回答し、男性のほうが「ちょうど良い」と感じる傾向が強いといいます。男性のほうが「俺、十分やれてる」と感じる傾向があり、この意識の差が、夫婦喧嘩の火種となります。

 

そして家事・育児の分担がうまくいかなかった理由として、最多は「家にいる時間の長い方が家事・育児を多く担う」で47%。一方でうまくいった理由としては「お互いの得意不得意を把握し、家事・育児を分担する」が最多で52%でした。

 

――家にいる時間は長いんだから

――どうせ時間あるんだから

――おれは働いているんだから

 

ついつい「夫」→「妻」に言ってしまいがちな、こんな言葉。このような意識では、家事・育児の分担はうまくいかず、夫婦喧嘩の火種になることが調査結果からも分かります。「お互いの得意不得意をカバーする」という、成功の秘訣を真似して、夫婦円満を目指したいものです。

 

[参考資料]

総務省『2023年 家計調査 家計収支編』

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』

エン・ジャパン株式会社/「ミドルの転職」『子育て期の家事・育児分担実態調査』