近年、まるでタワマンのような老人ホームが各地に誕生し、人気を集めています。眺望もよく、終の棲家として申し分のない素晴らしいところですが、高額な入居費用にもかかわらず、なかには退去してしまうケースもあるようで……。本記事では、Aさんの事例とともに終の棲家の注意点について、FP1級の川淵ゆかり氏が解説します。
![まるでタワマン…夫を亡くした資産総額8億円の73歳女性、40代娘の勧めで“海の見える高級老人ホーム”へ入居も、「ここは終の棲家ではない」と悟った瞬間【FPが解説】](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/f/6/-/img_f675c2b27b049ab0a65867f3b229a72938172.jpg)
住む人が制限されるシニア向け分譲マンション
Aさんが住んでいた部屋がその後ちゃんと賃貸に出せたかどうかは定かではありませんが、シニア向け分譲マンションは住む人が制限されますので、賃貸でも売却でも難しい面があります。
お金のかかる物件ですから、それなりの資産家を探さないといけませんし、入居の際に健康状態は問われますし「60歳以上」といった年齢制限がある場合もあります。
相続対策として現金を不動産に替える人も多いのですが、いざ、相続となったときに納める相続税分の現金がなくなって困った、という話も聞いたことがあります。相続はもちろん、将来の売却や賃貸のことまで考えて、シニア向け分譲マンションの購入は決定するようにしたほうがいいでしょう。
それよりもなにより、高齢者にとって住まいが変わることはかなりのストレスです。入居者にとって住み心地の良い住まいとはなにか、を第一に考える必要があります。
川淵 ゆかり
川淵ゆかり事務所
代表